太陽の下で笑う。

うまいものはうまい。

どこかにあるおみくじメーカーとアフタヌーンティに関する考察。

日曜日の話。三連休の中日。

 

我々夫婦の今年のテーマとして、「やったことないことをやろう」というものがあり、

インスタグラムで若い女子が時折アップしている、アフタヌーンティなるものに奥さんと行ってみることにする。

(素敵な場所でおいしいもの食べたい!という奥さんのリクエストもあり) 

 

アフタヌーンティが15時スタートだったので、午前中はジムへ。

奥さんは昼過ぎまで仕事のピアノの練習をしたいとのことで、14時に合流する。

 

アフタヌーンティ初心者であり、いきなり帝国ホテルやコンラッド、ハイアットのような高級ホテルでは緊張してしまうため、春に結婚式を挙げた桜木町の式場のレストランにしてみた。

少し早めに到着したので、式場隣の伊勢山皇大神宮に参拝。

 

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昨年はここで初詣もして、結婚式を挙げて、そこで頂いた絵馬を6月に奉納してと何かとご縁の多い横浜のお伊勢さま。

 

今年最初のおみくじ。


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基本的には、運勢は悪くないが油断せずしっかりやりなさいね。とのこと。

 

おみくじの内容って面白い。ある程度汎用性を持たせつつ、見る人の心情によって投影できる点をちりばめて作らないといけない。そして大吉でも調子に乗らせてはいけないし、凶だとしても突き放すことなく、少しの希望を入れないといけない。

上の番号によって書かれている内容が決まっているのだろうが、誰がどのように決めて作っているのだろう。

 

浅草の浅草寺のおみくじなんかだと、太い筒の中に、番号が書かれた細い棒のおみくじが50本ほど入っており、書いてあった番号の引き出しからくじを選ぶという形になっているが、50~100種類は事前に用意してあるということだ。

 

おそらく、神社に納品しているような、ある程度ちゃんとしたおみくじを作っているメーカーがいくつかあるのだろう。

そこには門外不出の文章作成ノウハウを持つおみくじ作家や、おみくじ専門の祈祷を行うおみくじ宮司などがいて、おみくじを専門に印刷するおみくじ印刷機や、小さく折るための専門のおみくじ折り機などが日夜ゴインゴインと稼動して日本中のおみくじを製造しているのかもしれない。12月は繁忙期だったりして、残業につぐ残業なのかもしれない。

 

そして、日本のどこかには風変わりなおみくじマニアが存在しており、特定のメーカーのおみくじ100種のコンプリートを目指し、ことあるごとにおみくじを引き続けているのかもしれない。そしてダブりが多くて泣いているのかもしれない。知らんけど。

 

さて、そろそろおみくじからは離れよう。

アフタヌーンティを楽しみに来たのだ。

 

 

 

横浜の桜木町駅から少し坂を上った途中にある結婚式場「伊勢山ヒルズ」に併設されているレストラン「伊勢山 リストランテ マンジャーレ」

季節限定、いちごのアフタヌーンティである。


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下段にサンドウィッチ、オリーブなどの軽食、中段にスコーンやロールケーキなど、上段にムースやケーキなどの甘味。これにスープ、30種類くらいの紅茶やソフトドリンクがついてくる。

 

僕個人としては甘いものは好きなのだが、スイーツにテンションがあがるほどではないため、大人の社会化見学のような気持ちである。

貴族の社交から始まり、現在は婦女子の自分へのごほうび、長じては周囲にきらびやかな生活をアピールするための舞台装置として使われているアフタヌーンティとはどんなものなのか。

 

とりあえず紅茶を注文し、周囲を見回してみる。

客は全体で15組くらいか。

女子会10組、カップルか夫婦5組くらい。

年齢層は20代前半から40代くらい。

 

さすがにおっさんだけで来ている客はいないようだ。

 

15時はちょうどランチタイムとアフタヌーンティの切り替えのタイミングであり、それまでは家族での食事会や上品な老夫婦などもいたのだが、ほぼすべてのテーブルが女子会かカップルに代わり、特徴的な三段の皿がテーブルに並んでいた。

 

奥さんは小さくて綺麗なスイーツが3次元的に並んでいる様に目をキラキラさせている。

 

平面に配置するのではなく、縦を使うというのがなんとも凄い。数えてみたら12種類の軽食や甘味がダンジョンのようにそびえ立っている。貴族の社交も大変だ。

もしかしたら、昔の英国貴婦人たちの間で、スイーツの種類や品数でマウント合戦が繰り広げられた結果、縦に重ねて威圧するという手段に出たのかもしれない。うちは平面じゃない、立体だと。

貴婦人たちのプライドをかけた、2次元から3次元へのコペルニクス的転換である。

(実際は、晩餐前の社交ということで食卓と別の応接間でやることが多かったようで、狭いティーテーブルに載せるために縦に重ねたのが広まったらしい)

 

この土台はケーキスタンドと呼ぶらしいが、狭いテーブルを有効活用するという意味では非常に良い道具ではなかろうか。狭い日本の住宅事情で、同様の道具が出なかったのが不思議なくらいだ。

例えば、焼肉屋でいろんな種類の肉を注文したりするとテーブルが狭くなって不便なので、この土台で肉を三段重ねにして持ってきたりすると便利なのでは?などと考えてしまう。

あとはもう少し小さな皿で酒の肴が縦に三段で来たりするとテンションあがるのかもしれない。おじさんだってたまにはテンションを上げたいのだ。

 

 

さて目の前の甘味の話に戻ろう。

ひとつひとつのスイーツはパティシエが丁寧に作っているようでさすがに美味い。香り高い紅茶とあわせてゆっくり味わっているとなかなか気分が良い。

しかし30代のおじさんとしては甘味を10種くらい食べ続けるのは後半に行くにつれ、結構しんどくなってくる。

塩昆布やカリカリ梅が欲しくなってくる。なんならよっちゃんイカでも可だ。

 

周囲の女子たちは綺麗な空間と目の前に積まれた甘味、気兼ねせずに話せる相手の3点セットに水を得た魚のように生き生きとしており、楽しそうに写真を撮りあったり、止むことのない歓談を続けている。これが社交というものか。

 

ひとつスイーツを口にしてはおしゃべりのピッチとテンションを上げていく。まるで蒸気機関の火室に石炭をくべているように、糖分を燃やしてコミュニケーションのエネルギーにしているのだろう。

 

 

これだけの量のスイーツを食べながら、奥さんと話しながらなので、紅茶も結構進んでしまう。

紅茶と甘味だけで満腹になったのは初めてかもしれない。カフェインの過剰摂取と血糖値の急激な上昇でドキドキする。やはりこれはコミュニケーションを加速させるためのある種のドーピングではないか。

そういえば日本の茶道も、カフェインと瞑想を組み合わせた一種の精神的ドーピングだったという説があるらしい。興味深い。

結構あっという間に2時間経ってお会計。

 

普段いかない世界を垣間見れただけでも面白かったし、

のんびり甘いものを食べて優雅に過ごすというのもたまには良いかもしれない。

満足だ。


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とりあえずおなかがいっぱいなので奥さんとみなとみらいを散策する。

ちょうどセール中だったショッピングモールをうろうろして、カシミアのマフラーを購入。

2時間ほどうろうろしていたらようやく小腹がすいてきたので野毛に移動。

みなとみらい散策からの野毛は横浜のゴールデンコースである。


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結局、本日もちゃんと飲み食いするのであった。

エンゲル係数高いな。

 

三連休最高である。