お仕事で広告業界の基礎的な知識について調べていたが、つまるところ、「費用対効果」の世界なのだなと気づいた。
昔から費用対効果は言われていたかと思うが、web広告が出現したことで、どれだけクリックされたのか、その広告から何名がサイトに訪れたのか、そこからどれだけ登録されたか、サービスを購入したかなど詳細に追いかけられるようになったのですべてにおいて費用対効果が見られるようになったそうな。
たしかに、うちの会社でも広告を扱っているのだが、僕が入社した2007年はまだギリギリ雑誌の広告を販売していた。
そこでは効果というよりも「ブランディング」といった謎理論を掲げて営業することが多かったのだが、web媒体が中心となり費用対効果がすっかり見えるようになって、顧客の意識も変わったように思う。
費用対効果。
日常生活においては「コスパ」などという言い方をするが、けっこうさもしい考え方だなとも思う。
生き馬の目を射抜くビジネスの世界では数万円の費用を厳密に検討してより費用対効果の高いものに投資すべきなのはわかるが、日常生活において、コスパばかりを追い求めるのもなんだかつまらないものだ。
昨年末のグアム旅行の記念にベルサーチの香水を買ったのだが、結構気に入って毎日のように使っている。
出社前に気分がしゃきっとするし、仕事の合間にふと香ってくると良い気分になる。
奥さんも気に入ってくれている。
免税店で1万円弱したのだが、ふと日本でも手に入るかなと調べてみたら、数千円安く買えるではないか。
しかし、初めからネットでその香水を見つけても、安いから買おうとは決して思わなかっただろう。
旅行先で奥さんと2人で選んだ香水だからこそ思い出にも残るし良い気分で使い続けられているのだ。
僕としては、毎朝良い香りを感じながら働けているのは値段に関係なく価値を持っているし、安いからいいというわけではない。
(もちろん、なくなったらネットで買って補充するとは思うが)
そもそも、日常における効果って何だ。パフォーマンスって何だ。
30代既婚男子にとって追い求めるべきパフォーマンスって何なのだ。
「美味い」「かっこいい」「気持ちよい」「モテる」「所有欲」
何かを買うことに対するパフォーマンスってのはそれぞれに効果が違うし、一概に金額で比較できるものではない。
そう考えると、費用対効果というよりも、費用はある程度しょうがないとしてその支出でどの程度幸福になったかが大事なのかなとも思う。
費用対幸福だ。
むしろ費用はおいといて行動対幸福か?
今年の正月に、神奈川の三崎で本マグロの大トロを買って、大晦日元日と食ってみたが、あれは自炊と自宅と組み合わせることで気楽な環境で絶品の刺身が食えて非常に幸せな体験だった。
laughunderthesun.hatenablog.com
また、毎週のように通っているスーパー銭湯の800円もシアワセだし、立ち飲み屋で飲む400円くらいのホッピーセットもシアワセなのだ。費用対効果は良くわからないが、費用に対してのシアワセ度でいったらかなり高いのではなかろうか。
むしろ、究極的には、日差しの強い休日に海辺でボーッとすることなんかかなりシアワセ度が高い。しかも0円だ。
圧力鍋や、低温調理機のAnovaなんかも、それぞれ1万円、2万円程度だったが、それらがあることで自炊のクオリティは飛躍的に上がっており、手に入れたことに対するシアワセ度はかなり高い。
こういった小さなシアワセを積み重ねていく事が結構大事なのではと思うので、今後はコスパコスパ言わずに、費用はとりあえずおいておいて、シアワセ度が高いものを優先的にやっていき、人生を豊かに過ごしたいものだ。