太陽の下で笑う。

うまいものはうまい。

うまいサラダは美味い。

サラダは美味い。そう美味いのだ。

 

現代に生きる多くの人がサラダの美味さに気付いていないのではないか。サラダの美味さに開眼していないのではないか。

 

女子達のヘルシーなランチだけがサラダの活躍の場ではない。ダイエットのためにしかたなく食べるものではない。牛丼屋で罪悪感を減らす為にセットでつけるものではサラダが可哀そうだ。

 

おっさんだろうが酒飲みだろうが、ボウルいっぱいの美味いサラダを作ってバリバリと食うのだ。そうバリバリと。某はらぺこの幼虫になったつもりでバリバリと食うのだ。

 

サラダは美味い。

 

 

ぼくが子供だったころ、生野菜をバリバリ食うことに対してそこまでプリミティブな喜びを感じることは無かった。子供の頃のサラダは、ドレッシングやマヨネーズをドバドバかけてやっつけるものだった。悪い奴では無いと知っているが、積極的に付き合わなくても良い奴くらいの感情だった。

 

しかし、社会人になりいざ自炊を続けていると、自分で調理したサラダは美味いし、色んなサラダのある食卓というのは豊かで良いものだなと考えを改めるようになった。サラダ開眼である。

 

サラダの多くは火を使わない、切って混ぜるだけなど、比較的簡単なわりになかなかに美味い。また、サラダがあることで単調な食卓に彩りが添えられる。和食でも洋食でも比較的合わせやすい。食べると口がさっぱりして良い。実際にヘルシーかどうかはさておき、ヘルシーな気分にも浸れる。最高じゃないか。

おそらく、菓子パンやポテトチップやドクターペッパーよりは確実にヘルシーなのだろう。モリモリ食っても罪悪感が無いというのは良い。罪悪感の無い食事というのは良い。モリモリ食うのだ。

 

自炊を続け、自分なりのサラダのコツみたいなものがたまってきたので書く。御覧の皆さまもサラダに開眼されたし。

 

 

◆ベースの野菜たち

週末、時間がある時はこだわって美味いサラダを作ってみるのだが、普段は簡単なものでも十分だ。基本は生で食える葉物野菜。自分は、スーパーに買い物に行った際に、サニーレタス、グリーンリーフ、水菜のうち安かったものを軸に考える。この3つはサラダの主軸としては相当に優秀。

 

レタスはサラダの主役のような顔をしてスーパーの店先に並んでいるが、青臭いクセや苦味があるわりに味が弱いので意外と使いづらかったりする。そしてひと玉を買ってもなかなか食いきれずにしおれてしまったりする。少し悲しい。キャベツも良いが、あれは千切りにする手間がつらい。そして千切りのキャベツは単体で食うと少し悲しくなる。そしてキャベツも使いきれずにどんどんしおれて黒ずんでくる。これではダメだ。悲しい世界。

 

サニーレタスかグリーンリーフはさっと洗ってバリバリとちぎるだけでよい。水菜は皿の上でキッチンバサミでザクザク切るだけでよい。そこに適当なドレッシングをかけて食うだけでサラダだ。できれば水気は切ったほうがうまい。サラダスピナーなどというしゃらくさい器具は持っていない。シンクの上でブンブン降って水を切るのだ。

 

葉っぱだけのサラダも美味いのだが、緑ばかりでは若干見た目が寂しい。味も単調だ。少し余裕があるのなら、トマトを買うと良い。今の時期は安くて美味い。瑞々しくて酸味と旨みが強く太陽の恵みを感じる。そして緑のサラダに少し赤が入るだけで食卓が鮮やかになる。

パプリカ(赤、黄)でも良い。適当に刻んで葉っぱの上にのせるだけでよい。ほんのり甘くてシャクシャクして美味い。トマトならひとつ50円~100円程度、パプリカならひとつ100~150円程度だが、それで2日か3日くらい美味いサラダが食えれば良いではないか。ほんの少しの贅沢である。許してくれ。

 

同じく緑色で地味だが、夏はキュウリなんかも良い。単体では叩きキュウリ、浅漬け、もろみキュウリ、オイキムチなどどちらかというと酒飲みに好まれ、サラダの主軸を張るには厳しいが、脇役だと良い仕事をしてくれる。ポリポリと心地よい食感をサラダに与えてくれるのだ。薄切りにして葉物野菜と混ぜると良い。

余談だが、キュウリのカロリーよりも、ポリポリと食べて消化するためのエネルギーのほうが大きいらしい。食べれば食べるほどマイナスになる食い物。摂取するごとに死に近づいていく。緑の悪魔か。

個人的には、季節による価格変動が大きすぎるので夏場しかスタメンには入れていない。夏場の安売りでは1本20円程度だが、冬場のハウス栽培だと1本100円以上だったりする。それで栄養満点なら良いが、ほぼ栄養ゼロの食感オンリーに5倍の価格差は厳しい。

 

あとはオニオンスライスも便利だ。たまねぎは日持ちするため冷蔵庫に常備しており、なんか追加で野菜が欲しいなと思った際に活用しやすい。千切りにして20分ほど水にさらして辛味を抜いてサラダに入れる。昔イタリアンの厨房でアルバイトしていたので、玉ねぎの千切りは得意である。毎日20個ほどを千切りにしていた。理想は新玉ねぎが甘くて美味いが、表面がパリパリになった普通のたまねぎでも十分美味い。日持ちは正義である。

 

ブロッコリーやアスパラなんかも美味いが、下茹でという手間が発生するので、若干面倒だったりする。休日のテンションが高い料理の際にたまに登板する。

 

 

◆変化球の野菜たち

ビーリーフ:ハーブ類や葉物野菜の若葉の詰め合わせだが、正直コスパが悪いので日常使いにはちょっときつい。手軽におしゃれな洋食を演出したい際にはとても便利。肉料理の付けあわせや、魚介のカルパッチョなどをちょっと作る際には手軽に使える。どちらかといとハレの日のサラダ野菜。バリバリ食うサラダには物足りない。

パクチー:刻んで散らすだけで東南アジアの風。苦手な人も多いが僕も奥さんも大好きなのでよくサラダに入れている。意外とどんなサラダにも合う。

セロリ:こちらもクセが強いので嫌いな人も多いが、青臭い独特の風味と繊維質な食感が良い。スライスして入れるか、お酢などでマリネすると美味い。

豆苗:青臭いが結構美味い。中華料理では火を通して食うのがメインだが、そのままでもいける。

オクラ:さっと塩もみか下茹でして表面の絨毛を落とし、スライスしてサラダに入れるとネバネバが出て美味い。混ぜる系のサラダや青ジソ、ポン酢などと相性が良い。

海草:野菜ではないが、乾物の海藻を戻してサラダに入れると食感と風味が楽しい。

 

他にも、ナッツや豆類なんかを入れても美味い。うちにはふるさと納税で届いたナッツが大量にあるので砕いてサラダにふりかけている。

 

◆味付け

はじめは市販のドレッシングでも良いが、あれは味が強すぎてだんだんと飽きてくる。おそらく、野菜が苦手の人でもドレッシングの強い味で押さえつけて食えるようにしているのだろう。

味が強すぎて、ドレッシングがかかっているところは濃く、かかっていない箇所は逆に味が無く感じて食えない。そしてドレッシングをかけ過ぎてしまう。ドバドバである。これではいけない。

 

市販のドレッシングが無くても充分美味いサラダは作れる。極論、塩だけでも良いのだ。キュウリやトマトに塩をつけてバリバリ食うと美味い。プリミティブな美味さ。それもサラダといえばサラダだ。

 

市販のドレッシングは、基本的には油、塩味、酸味、甘みと香りで出来ている。塩味は必須だが、それ以外は多少代用したり省略してもなんとかなる。

 

シンプルに食べるならクレイジーソルトを振りかけるだけでも美味い。塩味+ハーブの香りである。

そこにオリーブオイルをかけると鉄板に美味い。油+塩味+香り。油分が少し入るだけでグッと美味さが深まる。結局はカロリーなのだ。カロリーイズ美味い。しかもシンプルなので素材の香りや良さを消さない。

そこに少しお酢やレモン汁の酸味を入れるとドレッシングとしてはほぼ完成である。油分をサッパリさせて野菜をモリモリ食える。

 

あとは好きな調味料を入れれば良い。醤油でもポン酢でも柚子胡椒でもワサビでもカラシでも大抵の調味料はドレッシングになる。なんなら市販のドレッシングを少量混ぜても良いのだ。市販ドレッシングを否定した直後に書いているが、食べるのは自分だ。

何を縛る必要があろう。自由なのだ。

 

 

◆タンパク質をプラス

野菜だけのサラダも美味いが、正直、タンパク質がプラスされると満足度が飛躍的に上がる。ヘルシーからは遠ざかるかもしれないが、焼肉やカツ丼やカレーライスと比べたらヘルシーなのだ。人はタンパク質を求める生き物だ。カロリーイズ美味い(二度目)

ハムなんかでも良いし、茹でたササミみたいに、火を通して細かくした肉を混ぜても良い。お刺身用のサーモンなんかでも最高である。ツナ缶やゆで卵、カニカマなんかも簡単だけど満足度が高い。肉類ではなく、水を切った豆腐や焼いた油揚げなんかも美味い。

 

とりあえず目に付いたタンパク質を細かくして入れればサラダは美味くなる。タンパク質がしっかり入っていればメインのおかずにだってなる。酒のつまみにもなる。自炊せずにダイエットしていた頃はコンビニで100円で売っているパックのミックス野菜を大皿に広げ、サラダチキンをほぐしてのせて、それをつまみに焼酎を飲んでいた。健康なのか不健康なのかわからないが、タンパク質たっぷりのサラダはつまみにはなる。

 

 

 

大きなガラスボウルにいっぱいのサラダを作って、手製のドレッシングをかけて混ぜてモリモリ食う幸せよ。

 

 

ここからは、iPhoneのカメラロールに残っていたサラダの写真達。

 

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塩豚とトマトのサラダ。ハニーマスタードソース。
豚の塩気と脂で野菜がモリモリ食える。完全にメインのおかずの風格。手間はかかるが美味い。


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低温調理の鳥ハムと水菜、赤パプリカ、クルミのサラダ。
ドレッシングはマスタード、ポン酢、レモン汁、塩コショウ。


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シーフードマリネサラダ。キュウリ、パプリカ、トマト、サーモン、冷凍のシーフードミックス。
味付けはお酢、レモン汁、ハーブミックス、塩にオリーブオイル。


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カボチャサラダ。
レンチンしたカボチャ、ゆで卵、マヨネーズ、レモン汁、塩コショウ。


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豚ハツのローストのサラダ。レタスの上に低温調理したハツをスライスし、オニスラを乗せて塩コショウ。上からオリーブオイルをたらして食う。これはサラダなのか、肉の付け合わせの野菜なのか。でも美味い。


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茹でササミ、パプリカ、水菜のサラダ。
これもマスタード、ポン酢、レモン汁、塩コショウ。
少しだけマヨネーズも入れているかも。


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ササミと豆、ひじき、水菜のサラダ。
豆はパックされているサラダ用ミックスビーンズ。
味付けはポン酢とレモン汁、わさび。サッパリなのにボリュームあって美味い。


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水菜とゆで卵、ブロッコリーのサラダ。
マヨネーズ、ポン酢、塩コショウ。


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オリーブとエビ、トマトのカップサラダ。
下にマッシュポテトを敷いてある。これは若干手間。遊びで作ってみた。


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タイ風の春雨サラダ、ヤムウンセン。
パクチー、パプリカ、トマト、オニスラ、水菜など。
ナンプラーやチリソースなどを入れたような記憶あり。


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パクチー、豆苗とプチトマトのサラダ。
ポン酢とオリーブオイルを絡めて食べる。青臭くて美味い。

 

 

さあ、ボウルにいっぱいのサラダを食うのだ。そうバリバリと。バリバリと。

サラダを食べる喜びに開眼せよ。

 

うまいサラダは美味い。