先週末のはなし。
お世話になっている企業ヨット部の各社幹部メンバーで毎年キャンプに行っているのだが、今年はちょっと遠征して香川岡山を一泊二日の強行スケジュールでの開催となった。
まずその初日、半日だけだったが、香川でうどん屋めぐりの旅。
土曜日の朝に高松集合というハードな日程だったため、朝6時前に自宅を出発し、7:40発のJALで羽田空港から高松空港へ。今年は梅雨明けが遅かったが、8月に入ってずっと毎日35度近い猛暑日。高松も多少もやがかかっているものの、しっかり晴れてて暑い。
今回のキャンプ旅に参加したのは総勢10名。ホスト役である岡山に実家のあるKING氏が奥さんと子供の3名での参加。他、既婚男子が3名、夫婦での参加が2組4名。そのうち8名がレンタルしたワゴン車に乗り込み、うどん屋めぐりを開始する。
このぎっしりした感じ。久しぶりである。学生時代や若手のころはよくこんな遠征や旅行をやっていた。なんとも懐かしい。
今回のうどんツアーは高松出身の商社マン、BIN氏にお店選びを一任。オススメの3店舗を巡る。
最初のお店はセルフスタイルの名店らしい、鴨川の『讃岐うどん がもう』
朝10時過ぎですでに20人くらいが並んでいる。うどん屋なので回転は早め。
田んぼの中の道を進んでいった中に突然現れるプレハブ小屋のような小さなお店だ。
30台くらいの駐車場付。
店内は完全なセルフスタイル。奥に見えるのが入り口で、
茹で釜の前でうどんの玉数と温、冷を店員に伝える。
その後、トッピングを自分で入れてお金を支払い、
冷たいダシか暖かいダシをかけて食べる。
店内は8名分くらいしかスペースが無いため、
外のベンチやテーブルで食べている人が多数。この雰囲気、最高である。
猛暑日だったので、冷たい麺に冷たいダシをチョイス。
ひと玉150円。大きなお揚げ100円をつけて250円の朝食である。
あっさりすっきりとした透明なダシが汗をかいた身体に美味い。
麺は腰がありつつびよーんと伸びるモチコシの食感。楽しい。
大きなお揚げはあまじょっぱく煮付けられており、
あっさりとしたダシと混ざって美味い。
あっという間に1杯完食である。うまかったー。
流れるように注文して流れるように食い、流れるように退店。
お店の隣に直売所も併設されていたので、今回参加できなかった
奥さんのためにお土産の生麺を購入。
2店舗目。がもうから15分ほど車で移動して、
丸亀の讃岐富士のふもとにある、『純手打ちうどん よしや』に到着。
こちらもセルフスタイル。
カウンターにおでんもあったので、牛すじ串をもらう。
2店舗目はすっきりと、季節限定メニューの『すだちひやひや』を注文。
輪切りにされたすだちが目にも涼しい。
ダシを一口すすると、イリコ出汁が効いた透明なダシに
すだちの香りと酸味が加わって、プレーンなうどんとはまた違った美味さ。
このダシと一緒にお酒を飲みたい。都内にあったら通いたい。
麺は完全手打ちらしく、太くむっちりした部分と、
細くピロピロした部分と食感が楽しい。
麺を噛む際の弾力もすばらしく、つるんと喉越しよく胃に滑っていく。
食べている間にどんどんとすだちの風味が強くなっていくのも面白い。
出汁と塩気が効いた透明なスープは上質な土瓶蒸しのようだ。
塩分過多になってしまいそうだがスープを飲むのが止まらない。ぐびぐびである。
いやー、変り種だがしっかり美味い。夏を楽しめるうどんだ。
僕らが入店したのが11時過ぎだったので、
僕らが食べている間、続々と行列が出来ていたのだが、
食べ終わってみると行列客がいない。
なんと、12時を前にして麺が売り切れになってしまったようだ。
僕らが来店したのが奇跡的なタイミングだったようだ。
さて、少しずつお腹もふくれてきたが、次の店を目指す。
最後の3店舗目は『長田 in 香の香』
ロードサイドのファミレスくらいのサイズの店舗で、結構駐車場も広い。
案内人のBIN氏曰く、この店は絶対にたらいうどんを食ってほしいとのこと。
4玉から8玉分のうどんが釜揚げの状態でたらいに入って提供されるそうだ。
今回は8名だったので、4玉分のたらい小を2つ注文する。
ここは、これまでの店と違って、かつおといりこと醤油がきっぱりと効いた
濃い目のダシが特徴。旨みと甘み、醤油の香りが相当強い。
かなりこだわりのダシのようで、おおきな徳利に入れられたダシは、
何人分としっかり量も決まっており、追加する場合は料金もかかるようだ。
ダシにすりおろしの生姜とネギを入れて、釜揚げのうどんを入れてすする。
茹でたてで、ぷるんぷるんピローンと麺が踊りながら口に入ってくる。
小麦の味がすごい。ダシの強い味にまったく負けていない。
もともと腰の強い麺なのだと思うが、水で締めずに釜揚げで食べることで、
つるつるした喉越しとよく伸びる柔軟性が強調されて食感が楽しい。
そして麺の表面が茹で立てで濡れていることで、ダシをダイレクトに吸わず、
香りの強いダシをいい感じに薄つつ口に飛び込んでくる。 これも美味い。
2時間で3店舗を巡って、ようやく満腹になってきた。
いやーどの店も美味かった。
今回、BIN氏にお店選びを一任していたが、うどん屋めぐりとしては最高のコースだったように思う。
『がもう』で王道のセルフスタイルのうどんを食べ、
『よしや』で季節の涼やかな香りと手打ち麺の腰の強さを味わい、
『香の香』で皆でたらいうどんを囲み、釜揚げうどんの喉越しと小麦の味を楽しむ。
たった3店舗を巡っただけでえらそうなことは言えないが、
バリエーションに富んでいて、うどん王国の懐の深さを感じた。
そして香川のうどんというものは、店それぞれの麺の食感を楽しむものだなと実感。
つるつる、モチモチ、しこしこ、むっちり、プルンプルン、ビヨーン、ピロピロと様々なテクスチャーが唇、口腔、喉を踊りながら通り抜ける楽しさよ。
都会で食す讃岐うどんの単なる硬い麺とは全く違っていて目からウロコである。
また、順番やタイミングも奇跡的だった。
がもうの到着が30分送れていたら長蛇の列に巻き込まれていただろうし、
よしやは僕らの直後で麺が売り切れてしまっていた。
さすが地元民のBIN氏である。半日だけだったが最高のうどん屋めぐりだった。
次回は奥さんと行こう。