太陽の下で笑う。

うまいものはうまい。

身近な物理に関する疑問を10年ぶりに思い出す。

現在、AmazonPrimeで無料だったこともあり、物理学に関する雑学本を読んでいる。つい最近読了した本が結構な難易度の社会学系の本だったこともあり、方向性が違う易しい読み物がほしかったのだ。

高校の授業レベル知識しかないが、相対性理論などの話を改めて読むと本当に面白い。世の中のデキゴトのコトワリを35歳のおじさんでもわかるように解説できるというのはすばらしいことだ。

 

大学生のころ、部活の同期に物理専攻の友人がいたので、合宿所や夜の防波堤に寝転びながら、日常の不思議について教えてもらっていたのだ。懐かしい。

 

昔書いていたブログにも物理に関する素朴な疑問を載せていたのだが、それがなぜか今年の1月にtwitterで言及されていた。

10年前に書いた疑問を、10年後の誰かが読んで面白いと思ってくれるとはなんだか不思議な気分だ。

 

 

改めて誰か回答してくれるかは不明だが、まだ疑問は解消されていないのでここでも載せておこう。

 

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<Q1>
「密閉したビンの中にハエがいて、そのビンの重さを計っているとする。
ハエがビンの底に止まってる時と、ビンの中を飛んでいる時で、
ビンの重さははたして変化するのか」

 

当時、理系大学院生だった実弟の回答はこちら。

 

弟:一個目はたぶん作用反作用の法則というものを使って解説できると思います。

物体が制止している際には、その物体にかかる力は、その力を打ち消す方向からも同様の力を受けているというものです。

ハエの体重が1gあったとして、ハエには地球に向かって1g分の重力が働いています。ハエが地面にいる場合は地球からハエに対して1g分の反作用力が働いています。ハエが空に飛ぶためには地球からの支えがなくなるだけで1g分の浮力を空気などから得る必要があります。

(ハエが飛んでいる場合は空気が普段より1g分多く地球を押しつけていることになります)

よって飛ぼうが飛ぶまいがハエ自身にかかる重力はどのみち1gなわけです。これが加速度的に飛んでいる場合は別です。

もっとわかりやすく言うと、
水で満ちた水槽の中で、金魚が泳いでいる場合と、金魚が底で制止した場合では重さは変わりませんよね?
空気にも重さはあるので、水槽の中と一緒です。

 

 ただ、僕としては感覚的に納得できない。

重さ500キロのヘリコプターが飛ぶ時に、ヘリコプターの真下の地面に500キロ以上の圧力がかかっているのか。分散してるんじゃないだろか。多分重さは変わらないと思うが不思議なのだ。

密閉したビンだからという考えもあるが、じゃあビンの口に穴が開いてたら変わるのか?ビンじゃなくてコップだったら?
もっと開いて、お皿の上にハエが飛んでたらお皿は重くなるのか?

 

弟:穴が開いていても一緒です。
開いていようが開いていまいが一緒です。

でも地面にかかる圧力は分散するので、瓶の外側に圧力がかかるように飛ばれると重さは変化します。

ヘリコプターなんかは


      ヘリコプター
        /\
       /↓ ↓\
      /↓ ↓ ↓\
     /↓ ↓ ↓ ↓ \
    /↓ ↓ ↓ ↓ ↓ \

こんな感じで分散します。

 

なるほど。たしかにそうかもしれない。
ここに別の理系大学院生の友人が参戦。

 

友人A:ビンのふたが閉まっているときにはハエの重さや起こす力は逃げ場を失うのですべてビンにつまり下方向への圧力にかかるんではないかしら?
ビンが硬くて重いので、
ふたが開いているときは力の逃げ道があって軽くなると思う。空気は力をまっすぐ伝えられるほど硬くはないので。

容器がもしも風船でハエがすずめだったら風船は膨らんで力を外に逃がすので軽くなると思う。中身が水のときは水は十分に硬くて重いので魚の重さをいつも下方向に伝えるので重さは一定なんでない?

 

結局ここでは答えが出ていないのだ。
ビンのふたが開いていたら重さは異なるのか!どうなのか!

 

また、ここにさらに疑問を追加してしまうのだが、ヘリコプターの羽根は翼断面であり、空気を下に押す反作用と、揚力の2つの力で飛んでいるはずである。

そうすると、翼断面の上部の気圧が下がり、下部との気圧差で揚力が発生する分、100%真下に押すような力は発生しないことになる。つまり飛び上がるヘリコプターの下にいてもヘリコプターの重量の100%はかからないはずだ。

なんとも不思議である。

 


<Q2>
「エレベーターの中でハエが飛んでる時に、
そのエレベーターが上昇を始めたら
ハエはエレベーターの床に対して一定の高さにいるのか
それとも下がっていくのか」

 

これは、慣性の法則で考えると、ハエはそのままの位置でとどまっているはず。
ただ、空気抵抗の分、そのままの位置というよりは若干、エレベーターの動きに同調するような気がする。

もしハエと空気ではなく、金魚と水だったとすると、水とほぼ質量が同じ金魚は、周囲の水と一緒に上昇していくはず。水も空気も同じく質量があるものなので、エレベーターの中の空気が上昇する際に、ハエに対して上昇するような抵抗を与えることを考えると、ハエもやや上がっていくのでは?とも思わなくもない。

そのあたり、誰か詳しい人、教えてほしい。

 

僕が10年前に素朴な疑問をwebに載せてから、なんと大手読み物サイトのデイリーポータルZが同じような実験をやっていた。

 

dailyportalz.jp

 

世界は身近な疑問とそれを解決したい人に満ちている。とても面白い。

面白くて夜も6時間しか寝られない。