太陽の下で笑う。

うまいものはうまい。

全日本選手権2019。

おそらく読んでくれる人はかなり減ると思うのだが、個人的な雑記として、またしてもヨットレースについて書く。

 

先週末の土日、湘南江ノ島沖でシーホース級ヨットの全日本選手権が開催された。僕は過去、2007年の大会で4位入賞、2012年の大会で6位入賞しているのだが、ここ数年はパッとしない成績が続いていた。ぼくがクルーザーのチーム主体で活動していることと、商社の企業ヨット部なので一緒に組むメンバーが海外駐在したり出張したりで安定的に活動できていなかったのだ。

 

しかし今年の大会はなんとか入賞したい。二人乗りで一緒に組んでいる商社マンのキング氏が来年から地元に戻ることを決めており、今年がペアで乗れる最後の全日本となるからだ。

 

まず初日。気合いを入れるぼくとキング氏。いざ出陣。

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もともと土曜日は昼過ぎまで雨予報だったのだが早めに雨が上がっており気温も上がってきていた。そのせいか北風だった風向も不安定に振れ続けて、なかなかレースがスタート出来ない。

 

風もほとんど無くなってきたので海上で1時間ほど待機し、風が安定して吹いてくるのを待つ。ようやく12時過ぎに東南の風で安定してきて1レース目のフラッグが上がった。

 

定期的に左右に振れている海面だったので、次の有利サイドの予測を立ててスタートラインのやや右側からスタート。

他艇に邪魔されてスタート直後に出遅れたものの、すぐに右海面にでてシフトを掴んでフレッシュで走ったところ、なんと第1上マークをトップで回航!しょっぱなから出来過ぎである。

 

そこからは、直後に迫っていたライバルの数艇と抜きつ抜かれつのデットヒートを続けて、最終的には2位でフィニッシュ。

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最高の滑り出しである。運営のクルーザーからの声援に手を振って応える。

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2レース目はやや風が上がってきた。今度も右側海面が有利だと踏んでスタートライン右端からスタートしようとするも、直前で他の艇が突っ込んできてしまい、それを避けているうちに他の艇にも捕まり、大きく出遅れる。

慌ててリカバリーしようとするも裏目裏目に出てしまい、なんと第1上マークは32艇中27番くらい。なかなかハードな順位である。

 

ヨットレースはスタートで8割は決まると言われている。ほとんどのレースで風上に向かってスタートしていくので、スタートが成功した船は綺麗な風の中トップスピードを保持できるのに対し、遅れた船はぐちゃぐちゃの風の中を走ることになり大きく差がついてしまうからだ。

 

しかしここでめげてはいけない。僕らは挽回を得意としているチームなのだ。諦めの悪さには定評がある。20年もレースを続けており、状況が不安定なほど老獪に順位を上げていける経験値を積んでいるのだ。

回航マークを回るごとに少しずつ順位を上げていき、最終的には16位でフィニッシュ。風も強く、ここまでのリカバリーですっかり体力を消耗してしまった。

風待ちで時間を使ってしまったこともあり、初日はこの2レースで終了。大会のレセプションで軽くビールを飲んで帰る。

 

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すっかり日が落ちるのが早くなった江ノ島

 

そして二日目。 勝負どころである。

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昨日までの暫定順位では僕らのチームは35チーム中9位。本日のレースを7位以内くらいで手堅くまとめることな出来ればまだまだ入賞のチャンスはある。

 

海に出てみると、北風が結構強く吹いている。風速5~8m/s程度でハードなコンディションだ。本日は13時までのスタートがタイムリミットとなっており、おそらく2レースは確実に実施されるだろう。2レース実施できれば、4レース成立となり、一番悪いレースの成績をカットできるルールとなっている。僕らとしても挽回のチャンスが大きく広がるので、本日のレースは確実に前を走りたい。

 

10時過ぎに第3レースがスタート。混戦したスタートラインだったがうまく空きスペースからスピードをもって出れた。そのまま左サイドの海面を使い、第一上マークは7位くらいで回航。次のサイドマークに向かうために、スピンを上げようとするが、何かにひっかかって上がらない。無理に引っ張ったせいか、スピンのハリヤードが外れてしまう。なんと!このレースでスピンを張れなくなってしまった。

ヨットレースが分からないかた向けに書いておくと、僕らが乗っているヨットは風上に向かって走る際は2枚のセールで走り、風下に向かう際はスピンという風呂敷のようなセールを展開して、追い風を受けてスピードに乗って走るのだ。スピンが張れないとなると、スピードが3分の2くらいに落ちてしまうこともある。これは結構痛い状況なのだ。

サイドマークまでにかなりの艇数に抜かれてしまったが、サイド~下についてはタイトだったのでプレーニングさせて逆に1艇を抜いて13位前後で回航する。

なんとか頑張って走ったものの、上~下のレグでまた大きく順位を落としてしまい、結局17位でフィニッシュ。

 

だんだんと風は上がってきているが、このままスピンを張れない状態では勝てない。ちょっと危険だが、船を一度横倒しにして半沈状態とし、マストの上まで上がってしまったスピンのハリヤードを泳いで回収する。キング氏の迅速な対応で、すぐに回収でき、レースの合間の時間でリカバリーすることに成功。気を取り直して次のレースである。

 

第4レースはスタートをバシッと決めて順調に走り、第一マークを7位~8位くらいで回航。その後は順位を落とすことなく後続艇を押さえて走り7位でフィニッシュ。強風の中で二日間レースをやってそろそろ体力的には限界である。ただ、フィニッシュした時点で12時30分くらい。運営艇は1時までのスタートとしてあと1レースをやるようだ。

 

 

 

イムリミットギリギリの12時55分にスタート。僕らは風が左側に振れていくことを予想し、スタートラインの左側から出る。フライングしたら失格のフラッグが上がっていたので、他の艇は大きく凹んだ位置にいたため、空いているスペースからトップスピードでスタートできた。会心である。

思った通り、スタート後に左に大きくシフトしてきたので、タックを返して反対サイドに伸ばす。この時点で右海面に行っていた艇団を大きく引き離すことができ、その後も安定的に走って上マークが5位くらいで回航。
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その後は順位を落とさないことだけを考え、常に有利サイドを選んで後続艇を押さえて走り、4位でフィニッシュ!最後に会心のレース展開ができた。予想していなかった強風で3レースを実施し、もう身体はバキバキである。

 

これで今年の全日本も終了である。他艇の点数を計算していなかったので何とも言えないが、入賞はやや厳しかったのではないか。第3レースのスピントラブルさえなければと思うが、起こってしまったことはしょうがない。

 

結局、僕らは6位と5点差の8位だった。残念ではあるがしょうがない。キング氏と最後に入賞したかったが、来年以降は岡山から大会のために来てもらうしかないな。 


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帰り道、江ノ島の夕暮れ。

いろいろと思うことはあるが、今回の順位は、小さなミスやトラブル、集中力や体力不足が原因だな。上位のチームはどんなに不安定な海面だったとしてもミスなく順位をまとめているのだ。

35歳にもなって、身体がバキバキになるまでハードにレースをやっていけるとはなんとも幸せなことた。さて、次は11月の頭に東京湾でレースだ。シーズンはあともう少し。しっかり楽しもう。

 

~過去のヨットレース記事~

 

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