太陽の下で笑う。

うまいものはうまい。

2019年に読んだ面白本ベスト5。

あと数時間で2019年も終わる。

現在、自宅近くの珈琲館で1年の振り返りをしていたのだが、集中力が切れてきたので雑文でも書こうと思う。

 

余談だが、珈琲館ではホットコーヒーを注文する際に、100円をプラスすると2杯分入ったデキャンタで注文できていた。しかし、しばらく来店しないうちにそのサービスが終了してしまったそうだ。店員曰く2杯目は半額なのでそっちを注文してくれとのことだった。気に入っていたサービスだけにとても残念である。

しかし、物事のコスパだけを見てはいけないなとも思いなおす。実質的な値上げかもしれないが、その値上げによって仕入先に適正な支払いができるのだし、それがバイトさんの給料にも反映されるかもしれないではないか。過度なサービスは廃止してもしょうがないし、適切な値上げは必要なのだ。

 

余談終わり。

 

さて、今年の振り返りを行っていたのだが、web上で記録している読書記録をチェックすると、今年はだいたい50冊以上の本を読んでいたようだ。

 

ということで今年読んで面白かった本のベスト5でも発表してみようか。

 

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5.『極夜行』 角幡唯介

極夜行

極夜行

 

角幡さんの書くノンフィクションは結構読む人を選ぶように思う。

細かいディティールやそれまでの歴史や時代背景までみっちりと書く筆致と、一人で探検を続けながら、自らの内面深くに入り込んで時に哲学的に自分の考えを表現していく描写は、ハマるとすごく面白いが、読む人のコンディションや本のテーマによってはまわりくどく冗長に感じることもある。

この本は、全く光の差さない極限の世界を単独で旅するというテーマと、角幡さんの作家としての能力や適性が見事に一致しているように感じる。暗く孤独で危険に満ちた極限の世界でどこまでも深く深く内面を見つめていく文体に引き込まれる。没入できる。

すごいノンフィクションだ。

 

4.『エンデュアランス号漂流』 アルフレッド・ランシング

エンデュアランス号漂流 (新潮文庫)

エンデュアランス号漂流 (新潮文庫)

 

先ほどの『極夜行』にも近いのだが、こちらは南極を漂流した冒険家たちのノンフィクションだ。

個人的に、漂流物のノンフィクションが好きで、これまでも何冊も読んできたのだが、 その中でもトップクラスに面白い。初の南極大陸横断を企てた英国の探検隊が、出航間もなく流氷に進路を阻まれ、氷に船を砕かれて遭難。しかし、そこから1年以上もかけて誰一人無くなることなく、隊員28名が奇跡の生還を果たしたという物語である。

隊長の最高のリーダーシップや、明るくどこまでも諦めない海の男たちの姿に読んでいて興奮が止まらない。最高の冒険譚である。

 

3.『BORN TO RUN 走るために生まれた ―ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族”』 クリストファー・マクドゥーガル

こちらは結構昔に話題になっていたのだが、なんとなく未読となっていた本。 しかし読んでいなかったことを後悔したくらいに面白かった。ランニングに関するノンフィクションに、人類の進化や身体論の話、とにかく明るい登場人物たちが大暴れするロードムービー的な話が組み合わさっていて、超一級の物語となっている。知的好奇心も刺激されるし、単純に面白いしでページをめくる手が止まらない。

ここに出てくる登場人物の一人、スコット・ジュレクが4000キロのトレイルを走った話『NORTH 北へ アパラチアン・トレイルを踏破して見つけた僕の道』もなかなかの面白本だった。こんな世界があるとは。

話題になった本はジャンル問わず読んでみるものだな。

 

2.『サピエンス全史(上,下)文明の構造と人類の幸福』 ユヴァル・ノア・ハラリ

『ホモ・デウス(上,下)テクノロジーとサピエンスの未来 』 ユヴァル・ノア・ハラリ

会社の社長との会食で進められ、帰りの電車でKindleに落として読み始めた本。上下巻が2作品なので本当なら4冊分だが、シリーズとして一緒にランクイン。もともと人類の進化論や身体論、進化心理学などは大好きなテーマなのだが、この4冊は正直凄かった。知的興奮が止まらない。

 

サピエンス全史は、現在の人類「ホモ・サピエンス」が、何故それまでの類人猿の仲間の中で唯一、食物連鎖の頂点に立ち、文明を築き、ここまで繁栄したのかについて、膨大な知識と知見を用いてわかりやすく解説したものである。良質なミステリーを読んでいるように明快に謎解きが進んでいく。最高である。

その続編、ホモ・デウスは、栄華を極めた人類であるホモサピエンスが、今後テクノロジーの発展と共にどのように進化していくのかを予想した物語である。これまで、生き延びることが至上命題だった人間が、目の前の危険や飢餓や病気を克服しつつある現在から、今後未来に向かって何を追及していくのか。歴史、生物学、社会学情報科学などの幅広い観点から分析していく。怖いけれど面白い。

この4冊を一気読みしたのだが、凄い読書体験だった。

 

1.『残酷すぎる成功法則』 エリック・バーカー

残酷すぎる成功法則  9割まちがえる「その常識」を科学する

残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する

 

 

 こちらは2月にブログにも記載したのだが、この本に出会ってよかったと思う。自分が自分の人生を豊かにするために、ビジネスをうまくやっていくために、日々の生活を楽しむために、ヒントとなることが沢山書かれている。何箇所もノートに書き写して、その後も読み返している。

laughunderthesun.hatenablog.com

 

面白さでいくと、サピエンス全史や、BORN TO RUNのほうが上だが、今年の自分に影響を与えた本でいくとこれがトップだろう。

 

他にも紹介したい面白本は多かったのだが、大晦日の珈琲館は人もまばらになってきて、少しずつ寒くなってきたのでこの辺にしておく。来年も興奮する面白本に出会えると良いな。

 

皆様よいお年をお迎えください。