太陽の下で笑う。

うまいものはうまい。

映画『LUCKY』は渋くてキュートなジジイが最高。

5連休最終日、娘と奥さんが昼寝中にまた一人で映画を観ていた。AmazonPrimeで配信されていた映画『ラッキー』

 

ラッキー(字幕版)

ラッキー(字幕版)

  • 発売日: 2018/12/05
  • メディア: Prime Video
 

 

2018年に公開された映画らしいのだが、全く知らなかった。 アメリカの名バイプレーヤーだったハリー・ディーン・スタントンの最後の主演作らしい。

 

ラッキーと呼ばれている90歳の偏屈じいさんが、ある日急に倒れてしまったことをきっかけにして、自分にも死というものが近づいていることに気付き、それについて思いを巡らせるようになる。馴染みの店の店員やバーの常連客、店でふと知り合った退役軍人などとの交流の中で、死をどう受け入れるべきかを悟っていくというストーリーだ。

 

こうやって書くとなんとも気難しく陰鬱な物語のような感じだが、シニカルでキュートな主人公のキャラクターや、周囲の人々とのユーモラスなやり取りを見ていると少しも難しくも湿っぽくもない。舞台となったアメリカの乾燥地帯の気候のようにカラッと明るく淡々としているのだ。

 

何よりも主人公を演じたハリー・ディーン・スタントンの佇まいが最高に良い。一人で目覚め、たばこをふかしながら朝の日課の体操をやり、冷蔵庫から牛乳を出して飲み、身だしなみを整えてシャツを着る。ウエスタンブーツを履き、テンガロン風の麦わら帽子をかぶって外に散歩に出かける。そのオープニングからの流れが良すぎてニヤニヤしてくる。

 

カフェの店員やバーの常連客とのやり取りも一つひとつの言葉が示唆に富んでおり、一人の皮肉っぽい偏屈じいさんをここまでキュートにかっこよく描いているというだけでこの作品はかなり楽しいものだった。

 

正直、退屈で眠くなってくるという人もいるとは思うが、僕はかなり好きな映画であった。ぼくは今35歳だが、あと55年後、こういったジジイになれるのだろうか。というか55年後って凄いな。無限の時間のようだ。

 

さて5連休も最終日。今から愛する家族のためにばんめしを作りますか。