太陽の下で笑う。

うまいものはうまい。

メルカリと母の愛のはなし。

お盆休みに身の回りの整理をしようと思い、靴やら動かない腕時計やら洋服やらを何品かメルカリに出してみた。

 

何度かの価格の修正と、何人かの匿名の方々とのやり取りの上、先週ようやく売却が完了した。靴箱やクローゼットに眠っていた不用品がチャリンチャリンと小銭になるのはなんとも嬉しいものだ。正確には、小銭と同等の価値を持つポイントになりメルペイ並びにメルカリ上で使用できるということなのだが同じように嬉しい。新しい貨幣経済

 

僕はどちらかというとモノに執着するほうなので、これまで蒐集した大量の革靴やブーツなど、年間数回しか履かないにも関わらず、メルカリに出すまでにずいぶん心の準備が必要だ。

結局履かないなーと思いつつ、この靴は結構高かったとか思い入れがあるとか悩みつつ、その半年後にようやく決心がついてメルカリに出したりする。全く未練たらたらである。

 

しかし、いざ売れてしまうと、サクッと梱包して、あっさりさっぱりと送り出している。過去の売却履歴を見ても、こんな靴もあったね~と未練の欠片もない。これが人との縁だったら非常に冷たい。

持っているものを失うのはつらいが、それがお金に切り替わった瞬間に未練が切れるのだろう。不思議なものだ。

 

思えばこれまで10足以上の革靴をドナドナしてきた。おそらく持っていても履かなかっただろうから、次の持ち主の足元で幸せそうにしていることを祈る。その上幾ばくかのお金も頂けるのだからありがたい世の中である。

 

laughunderthesun.hatenablog.com

 

 

同時期に奥さんも使わなくなった抱っこ紐をメルカリに出していた。

 

まだ娘の首が座る前に、横向きにすっぽりくるめるタイプの抱っこ紐を持っていたのだが、別の抱っこ紐を出産祝いに頂いたので結局数回しか使わずに、ほとんど新品のまま保管していたのだ。

 

綺麗な状態だったのですぐに売れ、奥さんは発送する前に、洗濯してアイロンまでかけて、かなり丁寧に梱包していた。

 

普段育児で慢性的な寝不足であり、疲れも溜まっているだろうに、深夜にアイロンまで掛けなくてもいいんじゃないと言ったのだが、それではいけないらしい。次に抱っこされる赤ちゃんと、小さい子を持つ次の持ち主のことを考えると、少しでも綺麗な状態で届けたいのだという。

 

なんて素晴らしい母の愛。

 

優しさのレベルが違う。それを聞いてなんだか感動してしまった。ぼくだったら何も考えずに適当に梱包して送ってしまっていただろう。

 

母になるということは、我が子の母になるだけではないのだ。

 

自分はまだまだ我が子の父にもなりきれていないのかもしれないと少し反省しつつ、少しだけ梱包を手伝ってみた。そんな日。