太陽の下で笑う。

うまいものはうまい。

さよならバイシクル。

先週、10年以上連れ添ってきた自転車とさよならした。

 

はるか昔。僕が上京して半年くらいのこと。

仕事にも少し慣れ、何か新しい刺激が欲しいと思っててきたころ、住んでいたアパートが駅徒歩20分と不便な立地で何か足が欲しかったこともあり、高円寺にあった自転車屋で購入したのだ。

 

当時、メッセンジャーやピストバイクが流行っており、店頭には様々にカスタムされた自転車が並んでいた。ロードバイクや日常使いのママチャリなども一応置いてあったが、あくまでライフスタイルとしての自転車を売っているような、そんな店だった。

 

とてもシンプルな白いクロモリフレームのクロスバイク。当時人気だったTOKYO bikeのパクリのようなデザインで、泥除けもスタンドも無し。格好を付けてスタンド無しで数年間乗ったが、やはり不便なのでサイクルあさひで購入した思い出。

 

阿佐ヶ谷に長いこと住んでいたので、やることがない時はよくこの自転車に乗って吉祥寺や新宿に遊びに行っていた。

 

当時は土日も普通に会社で仕事をしていたので、運動不足解消も兼ねて赤坂の職場まで走ったりもしていた。徒歩と電車で30分強かかるのだが、この自転車で青梅街道を疾走するとちょうど30分ほどで到着した。高円寺、中野、新宿、四谷、赤坂と、ちょうど地下鉄丸ノ内線の線路の上を通り、大都会をスイスイと走り抜けていくのが少しだけ誇らしかった。

 

また、当時は千歳烏山に彼女が住んでいたので、五日市街道、環八を走って会いにいっていた。懐かしい。流れる環八沿いの街並みがはっきりと思い出される。もうあの道は10年近く通っていない。

 

会社の部署のBBQに誘われた際に、後輩となんとなく思いつきでチャリで行こうという話になり、道もわからぬまま阿佐ヶ谷から荒川まで往復したこともある。

河川敷で後輩のマウンテンバイクを借りてふざけてジャックナイフをしていたら、空気圧が足りずにリムを噛んでパンクさせてしまった。どうやって修理したか記憶に無いが、なんとかして帰ったのだろう。

 

目黒に引っ越してからは駅にも近くなり自転車に乗ることは減ったが、多摩川まで20分ほどで行けたので、たまに一人でサイクリングに行っていた。

 

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ただ、結婚して今のマンションに引っ越してからは車とバスが日常の足になり、ほとんど乗る機会がなくなってしまった。

 

タイヤのバルブがフランス式というスポーツ車用の本格的な物で、専門の空気入れが必要な上に、数週間乗らないと空気を入れ直さないといけないという不便な仕様だったのだ。毎回3階の自宅から空気入れを持って降り、空気を入れてまた部屋に戻り、空気入れを置いてから乗るというのがなんとも面倒でいつしか乗らなくなってしまった。

 

結局、ここ数年で数回しか乗っておらず、自転車置き場で少しずつ錆びていっていたので、思い切ってさよならすることにしたのだ。

 

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ゴミ置き場にたたずむわが自転車。出勤前に改めて写真に収める。

 

23歳から今まで13年ほどを一緒に過ごしたこの自転車。ここ数年はほとんど乗っていなかったが、手放すとなると少しだけ名残惜しくなった。

 

さよならバイシクル。