太陽の下で笑う。

うまいものはうまい。

こわいものが増えていくおじさん。

あと数年もすると40代に突入するというおじさんだが、日々恐ろしいものが増えている。

 

昔よりもずっとセンシティブになっているような気がする。

センシティブおじさんになりつつある。

 

なんなのだろうか。守るものが増えたからか?単に弱気になったからなのか?それとも昔はただ虚勢を張っていただけなのだろうか。

 

例えば、最近、刃物や尖っているものに対して、無意識に危ないな恐ろしいなと感じることが増えてきた。

 

もともと軽い先端恐怖症気味なので、雨の日に隣を歩いている人の傘の骨の先端が恐ろしかったり、尖ったものを向けられるのが苦手だったりする。(だからといって逃げ出したり悲鳴を上げたりはしないが、あまりお近づきになりたくないなという感じでそっと距離を取る程度である)

 

ただ、最近は、台所のシンクや水切りかごの中に、食器と一緒に包丁がそのまま置かれていたり、刃を出しっぱなしのカッターが机に置かれていたりすると、胸の奥がじくじくするようなイヤーな不快感が湧いてくるのだ。これまではそんなことは無かった気がするのだが、皆そうなのだろうか。

 

また、以前は平気だったのだが、高所恐怖症になってきた。高いところがこわい。

 

2年ほど前に、知り合いの船の修理の手伝いで、15メートルほどの高さのマストに登ったのだが、その船のオーナーさんがつけてくれた安全ベルトの装着が甘く、固定用の金具が外れかけたままマストの上まで引っ張りあげられて死ぬかと思った。今思い出しても手に汗をかいて内蔵が上がってくるような感覚がある。今はちょっとした高さのジャングルジムなどでもまあまあ怖い。

 

あと、ブツブツに恐怖を感じる集合体恐怖症(トライポフォビア)でもある。これは大人になってから気になるようになった。そこまで重度ではないので日常生活に不便はないのだが、季節の変わり目や梅雨時など、手指に小さなブツブツができる汗疱※という症状になることがあり、なんだか自分の手指が気になって気になってゾワゾワしてしまったりする。

※これは汗が皮膚からうまく出れずに皮膚の下で小さな水泡を作ってしまう症状で、特に実害もないし、うつったりもしないのでご安心を。自分でも目を凝らさないとわからないくらい小さいので、他人に指摘されたこともない。

 

また、ここ数年で共感性の痛みも感じるようになってきた。

奥さんのアカギレの手なんかを見たり、誰かが怪我をした話を聞いたりすると、自分も少し痛痒いような怖いような気がしてくるのだ。以前は人の気持ちがわからない無神経な人だったのでそんなことは全くなかったのだが、何なのだろうか。

 

他にも、誰かの悪意やいざこざ、争いについてもすごく不快に感じることが増えてきた。誰かが誰かを悪しざまにけなしていたり、感情的になっているのを見ると、こちらも気分がぐんぐんと下がってしまうのだ。

なのでSNSなどで炎上している案件があるとそっと閉じることが増えてきた。

 

昔は血気盛んで頭に血が上りやすく、部活や会社でも怒鳴ったりしていた気がするが、すっかり平和主義者に変わってしまった。

 

 

いつの間にこんなに優しく、か弱い人間になってしまったのか。奥さんが人一倍共感性の強い、優しい心持ちの人なので、影響を受けているのだろうか。それとも親になったことが何か関係しているのだろうか。

 

こんなにセンシティブになってきているが、コロナへの恐怖は全く感じないし、将来にそなえる保険なんかも最低限で良いと思ってしまう。これは単なる性格か。もしくは脳の考える場所が別だからだろう。

 

読んでいる人からすると、しらないおじさんの怖いものが増えたというはなし。だから何だというはなしだが、ここ最近感じた変化として記録しておく。ああおそろし。