太陽の下で笑う。

うまいものはうまい。

web広告について思うこと。

インターネットに浴してこの20年近くを生きてきたが、インターネット全体がどんどんと読みづらく楽しくないものになってきている気がする。

殺伐としているとかではない。以前からずっと殺伐としているところは殺伐としている。ウェルカムトゥアンダーグラウンドである(2006年起源の古いコピペ)

それよりも、とにかく広告が非常に邪魔で不愉快な感じになってきているのだ。

 

僕はこんな雑文をつらつらと書いているくらいなので、他人のブログを読むのもそこそこ好きなのだが、ここ数年、サービス自体が廃れてきてブログ事業者も利益を確保するのに必死なのか、どのサービスでもやたらと広告が多くなってきた。

 

タイトルをクリックしたら画面中央に関係ない広告がドカンと出てきて、進めば良いのか閉じれば良いのかぱっと見でわからないような選択肢が付いていたりする。タイトルを見て面白そうだと思った興味が一瞬で引いてしまう。

 

本文にたどり着いても、ブログの画像よりも広告の画像の方が多かったり、本文中の大事なところで関係のない広告が挟まれたりしており、普通に読みづらい。PCで表示した場合に画面の7割が広告なんてのもあったりする。

 

スマホ表示では、広告枠の中で広告の画像が動くようなものもあり、指でスクロールしようにも出来ないという嫌がらせのような仕様のものも良く出てくる。

 

他にも、画面上をゆっくり動く広告や、時間を置いて浮かび上がってくる広告など、明らかに誤クリックを狙ったようなものも増えてきており、何でもありになってきている。卑怯だし不快でしか無い。そこで出た商品は絶対に買いたくない。

 

などなど。

いやだなー邪魔だなーと思うことが増えてきた。 

 

また、これはwebメディア全般に言えることだが、下品な見た目の広告も増えてきた。ニュースサイトや読み物系のサイトで、脱毛やらダイエットやらシミシワ防止のサプリやら芸能人のゴシップ系の広告が表示されているのだが、見た目が不快なものが多すぎる。端的にいって下品だ。メディアとしてそれで良いのだろうか。

 

無料で利用させていただいているため文句を言うなと言われればその通りである。黙ってブラウザを閉じるしかない。しかし、インターネットをずっと楽しんできたおじさんが思うに、web広告の業界全体でどんどんと広告効果を落として首を絞めているように感じるのだ。

web広告の代理店は、どれだけクリックされたか、どれだけ表示されたかが売上となるため、どれだけ下品でも誤クリックだとしても、ひたすら売上のために不快な広告をふやしていっている。それで広告の効果はどんどん下がっていく。また、メディア側は広告効果が低いからもっと広告で埋め尽くさないと売上が立たない。そしてユーザーはひたすら不快で不便である。

 

どうにかならないのだろうか。個人的には、あまりに不快な広告の多いメディアは見なくなってきてるし、スマホには不快な広告をブロックするアプリを入れている。それだけ自衛しても、不快な広告は次々と手段を変えて目の前に現れてくる。

椎名誠SF小説『アドバード』の世界だ。僕らの生活は広告に包囲されている。

 

ふと思ったのだが、技術革新で記憶媒体は加速度的に安く大容量になってきており、処理するためのサーバーも高度化しているので、ブログメディアなどの運営費用は下がっているのではないだろうか。ここまで広告を増やさないといけないのだろうか。それとも今のやり方が顧客満足度的にも、ビジネス的にもベストなのだろうか。わからない。

 

 

と、ここまで書いてきて、以前ブロガーのちきりんさんがvoicyという音声ブログサービスで語っていたことを思い出した。

 

YouTubeで、有料プランに課金すれば広告を非表示にしますというのはGoogleの企業の姿勢としてはおかしいのでは?ということだ。

 

Googleは世界最大のweb広告の会社である。web広告でユーザーと顧客企業をつなぐことで売上を立てている。検索から自動運転まで幅広くやっているが、メインビジネスは広告なのだ。世界でも最先端の頭脳と世界を変えてやるぞという志を持った優秀な人たちが集まっているGoogleという会社で、自分たちのメインビジネスである広告を、『邪魔なもの』として、「お金くれたらこの邪魔なものを消しますよ~」というのは違うのではないかということだ。

 

 

今ぼくらがwebサービスYouTubeを無料で使えているのも、広告のおかげだ。ある種、必要悪のようなものなのかもしれない。ただ、その必要悪だけが加速していって、どんどん利便性を損なっていくのはどう考えても健全ではない。というかあまりにもユーザーの視点が置いてけぼりではないか。

 

だからどうすればよいかということはないのだが、webサービス各社にはもう少し理性的な広告のつけ方をお願いしたいものだ。

 

インターネットを愛するいちおじさんからの願いである。