太陽の下で笑う。

うまいものはうまい。

20年ぶりの再会。娘のヨットデビュー。

先週土曜日のはなし。

 

ひょんなことからSNS上で20年ぶりに再開した友人に誘われて、娘と一緒に彼のヨットに乗せてもらってきた。

 

その友人はF君というのだが、もともと大学時代に僕が所属していたヨット部に一緒に入部した同級生だった。入部当時から金髪で非常に目立っていたものの、それに反して柔和な雰囲気でひとなつっこくいいヤツだったので、入部してからは彼と同じ学部だった友人などと一緒に、お互いの家に遊びに行ったり、メシを食いにいったりしていた。

 

しかし、入部から半年くらいで彼が部活を辞めたことで疎遠になり、学部も別だったので特に会うこともなく卒業していった。部活を辞めた経緯はよく覚えていない。

 

その後、彼は研究者の道に進んだらしいという噂は聞いていたものの、特段連絡を取る機会もなかったので、なんとなくいいヤツだった昔の友人という存在で20年くらいが経過していた。(もしかしたら彼と同じ学部の友人の結婚式で一度会っているかもしれない)

 

それが、昨年の夏くらいに、僕が登録しているビジネス用のSNSで彼から友達登録のリクエストがあり、非常に懐かしくなって承認したところ、すぐにメッセージをもらったのだ。

彼曰く、バリアフリーのヨットの運営に携わっているらしく、自身でも大会に出場するのだという。なんと、その後ヨットを再開していたのか。そして、その後も何度かメッセージのやり取りをしていたところ、自分でヨットも購入したらしく、一緒に乗らないかと誘われたのだ。

 

彼も僕と同じくらいの年代の子供がいるらしく、子供も一緒に乗ろうという話だった。

 

僕が普段乗っているのは居住性ゼロでクルージング用の設備もゼロというストイックなレーサータイプのヨットなので、これまで奥さんや子供を乗せたことは無い。うちの娘も連れていってヨットデビューさせてもらおう。

子供用のライフジャケットを購入し、娘にも数日前からヨットに乗ることを伝えて、当日を迎えた。

 

当日は車で向かったのだが、朝から大興奮だった娘は到着5分前にエネルギー切れになってしまったようで寝てしまった。F君に連絡して少し遅れてマリーナに入る。

 

20年ぶりに会ったのだが、不思議とそこまで距離を感じない。軽く近況について話しながら桟橋を歩き、停泊している彼の船に乗り込む。

 

今回乗船するのは、F君とF君の4歳の息子、ゲストとして、彼がもともとやっていたバリアフリーヨットの知り合いと、今回初めてヨットに乗るというドイツ人の青年(日本語は話せず英語のみ)、あとは僕と娘というなんだか不思議な組み合わせだった。

娘はそこまで緊張することもなく、なんとなく馴染んでくれたようだ。

 

軽く整備してから乗り込む。ほとんど無風のような状態だったが、ぷかぷか海上を漂っているのもまた楽しい。娘は心配していた船酔いもなく、おっかなびっくりではあったが結構楽しんでいたようだ。

 

船のデッキ上でふらつきながら立っているので、危ないから座ったほうが良いよと言うと、「Aちゃん船長さんだから座らないの!」と言っていた。いつの間に船長に。

 

サイドデッキに並んで、足をぶらぶらさせてみる。ドイツ人の青年にアメをもらい、恥ずかしがりながらも甘くておいしいと笑っていた。そのあとは、キャビンとデッキをつなぐ階段が面白かったようで、ひとりで上り下りしたりして遊んでいた。

 

しばらく乗っている間にそよそよと風も入ってきて、曇りがちだった空も日差しが差すようになり気持ちの良いセーリング

 

娘も疲れてしまいそうだったので、2時間ほどでマリーナに戻らせてもらう。船を片付けてから14時くらいに解散する。娘も楽しかったようで、また乗りたい!と言っていた。F君の息子君は出航して30分くらいで眠くなってしまったようで、ずっとキャビン内で昼寝していた。

 

F君、お世話になりました。また是非乗ってねということだったので、またお邪魔させてもらいたいな。

 

帰宅してから奥さんに今日の様子を話したのだが、僕がF君について何も知らないことに驚いていた。

 

そういえばそうだ。20年ぶりに会ったのだが、お互いの子供の話などをパラパラ話したくらいで、ヨットに乗っている間はヨットに関する話がほとんどだったのだ。かつドイツ人の青年がハイテンションでずっと英語で話していたので、あまり個人的な話をする感じでもなかった。

 

でも男同士の友人関係なんてそんなものなのかもしれない。その20年間どうしていたかなんてすぐに知らなくても良いし、どこでどんな仕事をしてようと良い。一緒にヨットに乗って楽しければ良いじゃないか。

 

 

何はともあれ、娘のヨットデビューの機会をいただいたF君に感謝である。