太陽の下で笑う。

うまいものはうまい。

家を決めた顛末④ 手続き編

さて、前回は心境について記載したが、
その心境で淡々と進めた手続きについて、備忘録的に記す。

 

淡々としていて面白くないが、事実なのでしょうがない。

 

いっそ飛ばしてください。

 

 

1)契約実務

不動産屋の事務所にて、仲介不動産屋、売主さん、僕の3社で契約書の内容の確認、各種サイン、手付金の支払い、領収書の受理という形で2時間ほどで終了。ここで初めて売主さんとは顔を合わせる。

手付金は前日までに不動産屋の口座に手数料込みで振り込んでいたのだが、ここで初めて茶封筒に入った札束が登場し、札数えマシーンであっという間にカウントされて、手続き上僕から売主さんに手渡しすることになる。3桁万円の札束なんて持つのも初めてである。よろしくお願いしますとかモゴモゴ言いながら札束の入った茶封筒を渡す。なんだか儀式のようである。

 

2)住宅ローンを決める

住宅ローンは重要である。今は史上空前の低金利だが、この設定次第によっては最終的な支払いが百万単位で変わってくる。真剣に選ばねば。一応、8社くらい候補を探して、固定金利変動金利などをスプレッドシートの一覧表にまとめて検討し、安かったネット銀行の変動金利で申し込んでみた。

 

リスクを減らすために10年固定なども考えたが、今後景気が急回復していくことは考えづらく、以前ほどの高金利に戻ることはほぼ無いだろう。そうなると変動でしばらくやっておいたほうが得である。

また、元本がデカいうちは極力低金利にしておいた方が良いし、10年もたつと元本も減っていて金利上昇リスクも減っているだろう。そんな考えで今が一番安い変動金利にしてみた。数年後に吉と出るか凶と出るかはお楽しみである。まあ金利が上昇してくればその時点で固定にしても良い。

 

手続き自体はすべてネットで完了した。最近増えてきたが、必要書類をスマホのカメラで写してアップロードする形である。結構迷いながらやったが、なんとか申請できたようだ。

 

3)銀行口座開設

住宅ローン用の銀行口座をつくる。こちらもネット上の手続きであっという間に開設。世の中にごまんとある銀行の窓口は何のためにあるのかと思ってしまう。

利益を産まない箇所に人件費を掛けざるを得ない産業は大変だ。それもこれから10年で変わっていくんだろうな。

 

4)火災保険申込

仲介の不動産屋の関連会社で勝手にプランを組まれて資料も郵送されていたが、なんとなく不安だったので自分で調べてネットで見積もりを取って比較する。やはりネット系が間違いなく安い。

特約も一つ一つ検討。以前も書いたが、安全や保険に関する考えが奥さんと真逆なので調整が難航。僕は最低限の保証にして無駄なランニングコストを下げたい。奥さんは万が一のためならと出費はそこまで気にしないタイプ。家庭円満のためになんとかすり合わせて申し込む。

 

住宅ローン、ネット銀行窓口、火災保険とすべてネット系で行ったが、特に金融関連の商品は、リスクと手間がそのまま価格として乗っかってくるのがよくわかる。ある程度の現金を保有している場合や、自分で調べて動ける場合はその両者の負担がかなり少なくなるし、リスクを恐れてなるべく保証を厚くしたい、すべてお任せにしたいという場合は手数料や金利が高くなるのだな。

 

5)耐震適合証明を取る

中古マンションの場合、これを取ると住宅ローン減税が使えたりと何かと得らしい。仲介の不動産屋に勧められて建築士事務所に依頼する。

ただ、ちゃんとした耐震診断をしてくれるわけではなく、建物のだいたいの構造や、壁のヒビの状況などを目視して、役所で使える書類に整えてくれる程度のようだ。それで5万円強とは美味しい仕事である。

 

6)自己資金の振り込み

今回、フルローンではないので、自己資金と仲介手数料の残金やら司法書士費用やらを頭金として用意する必要があり、決済の数日前に銀行で振り込む。

もちろん当面の生活防衛資金は残してあるし、別に投資に回している分もあるのだが、ここ数年で貯めた金が一瞬でドカンと減って少しだけうろたえる。

 

7)司法書士への依頼

住宅ローンを申込んだ銀行から委託された司法書士に連絡し、必要な書類を事前に取得して送ったりする。丁寧な電話での印象から、50がらみの小柄で腰の低いおじさんかと思っていたら、のちの決済で顔を合わせてみたら40前後のガタイのいいおっさんで驚いた。筋トレが趣味なのかジャケットの上からでも分かるくらいに胸板や腕がパンパンである。声だけだと印象はわからないものだな。

 

8)決済

最後に、不動産屋、売主さん、僕、司法書士の4人で集まり、登記に必要な各種書類を確認して、サインしたりハンコを押したりする。

平日しか決済できないとのことで、午前中の打ち合わせだけ済ませて、急いで最寄り駅まで帰って不動産屋の事務所に向かう。30分ほどで書類の記入確認を済ませ、司法書士さんがネット銀行に電話を入れ、 数千万円の融資が実行される。

ネット銀行の口座をチェックすると、一瞬だけ数千万が僕の口座に入っており、その数分後に売主さん、仲介不動産屋、司法書士さんの口座に物件残金や手数料、登記費用が振り込まれていた。

 

データ上だけで数千万のお金が右から入って左に抜けていく。このサイバー感よ。この瞬間に数千万の借金がぼくの両肩にのしかかり、物件の権利が移ったわけである。なんとも実感の湧かない手続きである。

売主さんはネット上で口座の確認が取れないため、不動産屋と二人で近くの金融機関まで残高確認に行っていた。確認OKで晴れて鍵の引き渡し、すべての手続き完了である。

 

 

売主さんと二人で不動産屋の事務所を出て、建物の前でお礼を伝えて別れる。売主さんはこれから新居に向かうのだそうだ。多分またお会いすることはないかと思いますが、手続きありがとうございました。お元気で。

 

昼飯を食べ損ねていたので、近くのガストで鶏のから揚げ定食を食べて帰る。

高額の取引でふわふわしていたせいか、から揚げの個数が指定できることに気づかず、巨大なから揚げが6個もついた定食を注文してしまう。から揚げは好きだが正直多い。口腔内をやけどしながら完食。

 

少々の胃もたれを感じつつ、ようやくこれで新しい家が手に入ったと安堵しつつ帰宅する。検討開始から4か月。お疲れ様でした。