太陽の下で笑う。

うまいものはうまい。

お金の価値が下がってきた30代後半。

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僕の誕生日の少し前、奥さんから何か欲しいものある?と訊かれて、はて、あったっけなとちょっと考え込んでしまった。年々、物欲が減ってきており、お金を出してこれを買いたい!これがどうしても欲しい!というものが無くなってきているのだ。

 

子供時代から20代後半くらいまでは、「これが欲しい!どうしても手に入れたい!」という身もだえするような欲求と、ネットや口コミ等をくまなく見て比較検討して注文する、もしくはその場の勢いと高揚感でえいやっと購入を決めるという買い物の集中力のようなものがあった。しかし、最近はそういったものもなく、必要なものは買う。不要ならば買わない。必要以上には調べずにあっさりと購入するというような感じになってきている。

 

単純に物欲が減ってきたということもあるかもしれないが、ある程度お金に余裕ができてきて、かつ将来に渡ってのお金のシミュレーションができてきたことで、お金の希少性や精神的な価値が下がってきているような気がする。

 

もともと、20代後半まではお金のことなんか何も考えていなかった。僕の会社は平均年齢が若いということもあり、飲み会がやたらに多く、また、20代の後半は決まった恋人もいなかったので好き放題に飲み歩いており、ハシゴして終電を逃してはオールしたり、タクシーで帰るか漫画喫茶に泊まるといった無駄遣いを続けていた。また、毎月のようにヨット仲間たちとの旅行やスノーボード なとのイベントごとがあり、物欲面でも革靴が大好きで1万円~数万円のビンテージシューズやブーツなどをバカスカ買ってたりした。

その結果、借金まではしないまでも、一向にお金は貯まらず、懐を右から左に流れていくような生活を続けていたのだ。

 

しかし、30代に入り、周囲が結婚や出産、家の購入など、非常に難易度の高そうな経験を積んでいく中で、それまでの怠惰な日々を反省。お金についてもっと主体的にコントロールしていくべきだなと考え、収入と支出を管理していくようになった。

 

もともと記録を付けていくことやシミュレーションをするのは好きだったので、日々の収入と支出をアプリに入力して管理するとともに、それを毎月Excelのシートでまとめてみた。そして、その結果をもとに、現在から仮に100歳まで生きた場合の、生涯にわたる支出と収入のシミュレーションを作ってみたのだ。

はじめは何もわからなかったが、数年間記録を続けていくうちに、自分が何にいくら使っているのか、今後何にいくら必要になりそうかなど、どんどん詳細に検討できるようになってきており、シミュレーションの精度が高くなってきている。僕と奥さんの今後の収入の変化、家族が増えていくことで今後支出がどのように増えていくのか、家や車を購入した際の支払い計画まで想定して作成している。

 

また、5年ほど前から投資も始めており、iDeCo⇒ロボアドバイザー⇒つみたてNISA⇒特別口座での投資信託購入と、少しずつ手を広げて毎月運用を続けている。その投資のシミュレーションも含めてExcelで記録するようにしている。今後、リーマンショック級の不況がくればもちろん目減りするはずだが、20年30年スパンでの長期投資を考えているため、そこまでリスクは高くないだろう。

 

 

そんな感じで、今30代後半だが、今後100歳までの予算計画のようなものがある程度の精度で作られてきている。生活をコントロールしたい僕としては満足のいく状態なのだが、なんとなく今後のお金の動きが読めてしまってツマラナイというか感じもする。何というか、シミュレーションしたことで、お金の価値がさらに下がってきているような気がするのだ。

 

 ずっと昔に、こんなことを考えていた。15歳の時の1万円と、20歳の時の1万円と、40歳になった時の1万円は相対的な価値が全然違う。だから若いうちは有意義にお金を使うのだと。そう考えてはいたものの、あまり有意義な使い方はできていなかったのかもしれない。そしてそうこうしているうちに比較的生活にも余裕が出てきて、先も見通せるようになった瞬間に、お金の価値がぐっと下がり出したのだ。衝撃だ。

 

そしてそこにコロナ禍である。外食も飲み会も旅行も自粛となり、これまで支出の大部分を占めていた交際費、飲食費、娯楽費がほぼゼロになった。洋服やスーツ、革靴、小物などは20代後半から30代中盤にかけて投資したおかげでほとんど追加することなくここ数年過ごせている。大きな買い物であるマンションも購入し、無理なく返済できそうな計画も立っている。なんだか順調だがツマラナイ感じもする。

 

改めて有意義なお金の使い道について考えないといけないような気がする。

 

 

話は変わるが、どうやらこの世の中はお金持ちがさらにお金持ちになるような仕組みらしい。

 

トマ・ピケティさんが『21世紀の資本』でも言っていたような気がするが、難しい理論を持ち出なくとも、なんとなくわかる。

・お金に余裕がない人は日々働いて生活する。
・お金に少し余裕がある人は投資ができる。ただ、少ししか余裕がない人は、投資しても損できないので、頻繁に結果をチェックし続けないといけないし、少し下がったりしたら不安でしょうがないので、悪いタイミングで売ってしまって損したりする。
・お金にかなり余裕がある人は、短期的な結果は気にせず投資を続けられるので、一時的な損はあったとしても長期的に投資を続け、結果的に大きなリターンを得ることができる。

 

余裕が余裕を生み、格差を拡大していくのだ。もちろん、短期的な売買で利益を上げていく人もいるし、それを続けて莫大な富を作っていく人もいる。ただ、それはギャンブルみたいなものだ。僕もいろいろと勉強した結果、長期的にインデックス投資を積み立てていく以上に効率の良いやり方は無いらしい。 

 

今、有意義なお金の使い方ができていないのであれば、インデックス投資への投資額を増やして、お金自体に働いてもらうのが一番なのだろう。それをやりつつ、自分への投資、趣味、家族への投資など、ここぞ!というタイミングでちゃんと使って経済を回していくのが良いんだろうな。なんとなく最近お金について考えることが多かったので、自分のためにメモ。

 

 

※結局、誕生日プレゼントには、無印良品のビーズソファ(通称:人をダメにするソファ)を買ってもらった。リビングに置いているが、これは良いものだ。僕も奥さんも娘も気付いたら吸い込まれるように乗っかっている。