太陽の下で笑う。

うまいものはうまい。

東京湾インショアレガッタ2021。

先週の土日、久々にヨット漬けの2日間を過ごした。

 

今年は昨年にも増して緊急事態宣言が長引いており、東京湾のヨットレースは軒並み中止となっている。そんな中で先週末にようやくちゃんとしたレースに参加できたのだ。第11回東京湾インショアレガッタIRCという国際的なレース艇のハンディキャップルールで行われる公式レースで、僕らは勝手に「東京湾最速のレーサーを決める戦い」と呼んでいる。

 

僕は第2回からずっと参加しており、僕らのチームは過去4回ほど総合優勝している。通常、8~10艇程度の参加艇数なのだが、今回、どのチームも参加するレースが少なくやきもきしていたのか、過去最高の15艇の参加となっている。久々のレース、楽しみだ。

 

土曜日は快晴。前日も遅くまで働いていたが、朝5時にパチっと起きて7時半に舞浜駅に集合。チームメンバーのYさんの車に乗せてもらい、浦安マリーナに向かう。

今回はメイントリマーのHさんが会社の試験で不在だったので、以下のポジションである。

バウ:Yさん
ヘッドセール、スピン:Tさん、B君
ランナー:Sオーナー
ヘルム+メイントリマー:わたくし

吹いてくると一人二役はきついが、その場合はTさんに手伝ってもらおう。

 

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てきぱきと準備し、8時半には出艇する。

 

初日は3レース実施予定。海に出てみると北風がそよそよの微風。天気が良いので途中で風が止んで南風に変わっていく予報。久々なので微風がありがたい。

 

10時ちょうどに第1レースがスタート。久々のヨットレースで感覚が鈍っているかな?と思ったが、これまででも一番くらいの勢いでスタートがバシッと決まる。会心の一撃だ。小型艇の僕らは微風が比較的得意であり、スイスイとスピードを止めず、30フィート40フィートの大型艇にも負けずに快走する。第一マークは3位か4位くらいで回航できた。後ろに後続艇が連なっており、気持ちいい!

僕らのヨットは22フィートの小型艇、大型艇は40フィートで、例えると軽自動車と大型観光バスくらいの差がある。IRCという国際ハンディキャップでも、艇の大きさやセールの面積、艇の性能で決められており、大きな艇とだと20%くらいのハンデがついている。同じ条件で同じ距離を走るとしても、大型艇が1時間で走るコースを、僕らは1時間12分かかってしまうということなのだ。

 

マーク回航のその後も順位をそこまで落とさず、フィニッシュ順位は6位くらい。修正では断トツのトップであった。

 

第2レースは途中までそこそこの順位で走れていたものの、レース中盤で風がなくなり、ほとんど止まっているのか進んでいるのかわからないくらいになってしまう。セールもほとんどはらまず、波間に漂うような状態。艇速1ノット(時速2キロ弱)というほふく前進のようなスピードで進み、なんとか2時間のタイムリミットまでにフィニッシュできたものの、先行艇との差は開くばかりで、フィニッシュ順位9位くらい。修正でも7位と大きくスコアを崩してしまった。

 

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海の上はこんな感じ。皆ぷかぷかと漂っている。

しばらく風を待っていたが、結局その後1時間ほど風は吹かず、第3レースは中止となり、初日は終了となった。

 

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海の上から見たディズニーシー。

 

陸上に戻って結果を確認すると、第1レースと第2レースで順位が入れ替わっており、僕らは1位、7位で総合2位。悪くない。二日目に挽回すれば十分優勝可能なスコアである。頑張りましょう。

 

 

二日目の日曜日。前日とは打って変わって曇り空。冷たい風が吹いている。風速2~4メートルくらいの微軽風か。8時半に出艇。

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どんよりとした空で、時折小雨がパラパラと降ってくる。

 

冷たい雨風を浴びつつ3レースを実施。北風で10~20度くらいの幅で風が左右に振れているため、できるだけフレッシュな位置でスタートして、コンパス角度を見つつ振れにあわせてタックしていくようなレース展開。

1レース目はコースの選択をちょっと誤り、先行した大型艇と大きく離されてしまう。フィニッシュ順位は11位。先頭の艇とは10分強の差をつけられてしまったため、ちょっと厳しい結果かもしれない。

少しずつ雨が強まる中、2レース目、3レース目と続けて実施。大型艇はすぐに離れていってしまうが、30フィート程度の中型艇にはそこそこ付いていけており、第一マークまでは抜きつ抜かれつの展開ができている。そこそこいい感じかもしれない。結果、10位前後でフィニッシュ。

後半はずっと雨に降られており、そんな中で3レースを実施したのでへとへとである。

 

 

艇を片付け、熱いシャワーを浴びてクラブハウスで休憩。とりあえずビールである。

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レース後のビールは最高だ。しみわたる。

 

今回、コロナ対策で閉会式や表彰式は無し。そのため、優勝可能性のあるチームだけがクラブハウスに残り、他の艇は流れ解散のような形であった。しかし、成績の集計に難航していたからか、なかなか結果が発表されない。

 

レース終了から3時間近くが経ち、ほとんどのチームも解散したころに結果が出る。

なんと、僕らのチームは2日目の成績が2位、1位、1位でぶっちぎりの優勝であった。体感では5位、3位、3位くらいじゃないかと思っていたので、3位入賞できると良いなーと思っていたが、優勝とは驚きである。

 

表彰式は無いため、運営スタッフのKさんからひょいっとトロフィーを渡される。

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総合優勝、そしてクラス別ではオールトップで優勝であった。嬉しい。雨の中頑張った甲斐があった。

 

今回、15艇の参加がありレースとしても非常に盛り上がっていたが、若手中心のチームが増えていたり、新しく船を買って参戦するチームも増えて、なんとなく新しい流れのようなものを感じた。

僕は2012年のシーズンからこのチームで舵を取らせていただいている。それから10年。マリーナでも一番の若手だったのが、いつの間にか40近い中堅メンバーみたいになってきた。他のチームでは大学生あがりの若い選手が一生懸命レースをやっていたりして、なんだか心強い。おじさんはまだまだ負けないぞ。

 

ヨットは生涯スポーツである。今回の大会でも、20代から70代まで、幅広い年代の選手がみな早朝から集まり、レースの出来に快哉を叫んだり、雨にずぶ濡れになったり、他の艇へのけん制で大声を出したりしながら一生懸命にレースをやっているってのはいいものだ。そして終わったら皆がニコニコしてビールを飲んでいたりする(最近はコロナ禍なので皆ちゃんとマスクしてますし、集まっての宴会は控えてます)

 

改めてヨット、セーリングというスポーツは良いものだなと思ったそんな週末であった。