太陽の下で笑う。

うまいものはうまい。

自炊は環境が9割。

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この雑文でもたびたび記載しているが、週末は僕が食事を作って奥さんと2人で食べることが多い。平日は僕の帰りが遅いので、奥さんが用意してくれることが多い。

以前も書いたが、食事を作ることについては全く抵抗がなく、むしろストレス発散の材料として気楽に作っている。そして外食に比べて圧倒的にコスパも良いし、暖かい家でゆったりと美味い物を食ってお酒を飲んで酔っ払って寝れるなんて最高だと思っている。

 

しかし、世の中には全く料理をしないという人も多い。また、食事の用意が苦痛だという人も多い。僕からすると、こんなに楽しくて家族や友人が喜んでくれて、しかも美味しくて健康に良いという趣味は無いなと思っているのだが、料理をする人としない(したくない)人にはどうやら大きな断絶があるようだ。

 

自炊する人からすると、「こんなに簡単で美味しい料理」だとしても、自炊したことがない人からすると、物凄く面倒で困難な作業だったりもする。

 

思うに、自炊をするかしないか(できるかできないか)というのは、料理してみたいという意思はもちろんだが、それ以外の大部分は自炊のための環境があるかどうかでほとんど決まってくるのではないだろうか。

 

環境がない場合は環境をはじめに構築しないといけない。これがかなり大変だ。自炊初心者がカレーを作ろうとするだけで、以下のようなものを用意する必要がある。

 

・鍋(調理器具)
・炊飯器(調理家電)
・包丁、まな板、お玉、菜箸かヘラ、ピーラー、しゃもじ(調理器具)
・お皿、コップ(食器)
・ルー、塩コショウ、サラダ油(調味料)
・肉、玉ねぎ、ジャガイモ、ニンジン、お米(材料)

材料以外の初期投資が重い。

 

また、1食分だけを作って食べることはしないので、冷蔵庫、保存容器も必要だし、また食べるためには皿を洗って片付けるための洗剤、スポンジなども必要になってくるだろう。

 

単身者用の狭いアパートなんかだと、一口のIHコンロと洗面器サイズのシンクを備え付けただけの物件もあるが、それでは不便すぎて続かないので少なくとも野菜を切るスペースがあるくらいの台所も必要となる。

 

それだけでなく、家から徒歩圏内(もしくは生活の導線上)に生鮮品を売っているスーパーが無いといけないし、仮に残業の多い社会人なんかだと、その人の帰宅時間まで開店してるスーパーでないと自炊を続ける障壁となってしまう。自炊初心者からするとすべてが大きな壁だ。

 

僕自身の経験でも、学生時代にレストランのキッチンでバイトしていたため、自炊のスキルと自炊したい気持ちは持っていた。しかし、東京に越してきて一件目のアパートは最寄駅から家までかなり遠く、かつその道のりはほぼ住宅地で駅前に牛丼屋とコンビニと中華屋しか無く、食材を買うためには家とは真逆の方向に10分近く歩く必要があった。当時は終電まで働くのが当たり前の環境だったため、終電近くに帰ってきて、30分以上歩いて食材を買って自炊などするものか。

その結果、コンビニ飯⇒牛丼屋⇒中華屋⇒コンビニ飯の無限ループとなり、かなり太った。深夜の吉野家で紅生姜と七味唐辛子で真っ赤にして食す牛丼の背徳感よ。小太りのおっさんの誕生である。

 

太らないためには食事の量を減らすしかない。平日は終電で帰り、コンビニで野菜ジュースと肉まん1個を買い、これで野菜、たんぱく質、炭水化物の完全食だとうそぶき、深夜1時に帰路に歩きながらもぐもぐ食べて、帰り着くなり布団をかぶって寝るという生活をやってみた。結果心が明らかにすさんでいった。そして僕は引っ越した。

 

ボロアパートでのすさんだ生活を続けていたら僕もいい歳になっていたので、武蔵小山のマンションに引っ越してみた。環境が一気に整った。

・ある程度広いキッチン、大きなシンク、三口コンロ
・深夜まで開いている駅直結の東急ストア
・自宅から駅までの導線上に地域に根付いた商店街

これだけでも自炊のストレスが大幅に軽減され、結果的に自炊が習慣化した。正直、上記の環境がなければ、いざ自炊をやろうと思っても途中で挫折していただろう。 環境に感謝である。

 

 そして、自炊は続ければ続けるほど環境が整っていく。これはやばい。
どんどんと快適になっていって自炊に関するストレスや障壁が減っていくのだ。

 

・毎日自炊すれば、食材が余っても他で活用できる
 ⇒一品を食い続ける生活から脱却、品数も増える

・調味料は足りなくなったら補充するだけで良い
 ⇒日々の買い物もとても楽!

・料理のレパートリーが増えてきて、腕も上がっていく
 ⇒失敗することが正直無くなってきた

・調味料の種類が増えていき、思いつきで料理ができるようになる
 ⇒和食、洋食、中華など、だいたいの料理はカバーできる

・100均などの調理器具を脱却し、使いやすい調理器具を揃えるようになる
 ⇒びっくりするくらいストレスなく料理できる! 

 

まず環境をちゃんと整えることで、どんどんと自炊が続く良いループを作れるのだ。

自炊しやすい環境がある⇒自炊が続く
⇒環境が整う⇒自炊が続く
⇒上達する⇒メシが美味い!
⇒楽しくなる⇒自炊が続く⇒環境が整う

 

 

そして、料理が楽しくなってくると未知の料理にチャレンジしたくなってくる。自炊のスキルを高めたくなる。最近は、意識してスキルを高めていこうと丸魚を買って捌いている。

魚料理も、切り身を調理するだけであればハードルが低いが、丸魚となると、出刃包丁、柳刃包丁と砥石、ウロコとり、小骨抜きなどの環境整備が必要なのだ。今はそれらがあるので気楽に魚を買って帰ることができる。

 

何かをやり続けるには、ほんの少しのやる気と、ストレスの無い環境を整備するのが大事なんだろうな。