昨年の10月下旬、ふるさと納税で大量の肉、魚の干物、ナッツ、海産物、おせち料理、日本酒などを注文した。年末にかけて次々と到着し、我が家の食生活を大いに賑わせてくれた。本当に2ヶ月くらいは肉を買わなくても生活できていたくらいだ。有難い。
今年は何を頼もうかなーと考えていたところ、北海道の自治体からメールが届いた。ふるさと納税の返礼品の準備ができたので、いつ届けたら良いかという連絡だった。
忘れていた。夏の味覚、ウニを予約していたのだった。
突然の吉報ありて、
我が家の日常に
高級ウニが届く。
なんだこのイベント。素敵過ぎる。
ということで到着。
北海道の最南端、青森の津軽半島の対岸、松前郡松前町産の高級塩水ウニ2パック。
1パックに100g入っているのだが、これだけで末端価格3500〜4000円のブツである。それが2パック。出荷日を含めて賞味期限4日。
少しの温度変化でも劣化するため、日常的に開け閉めする家庭用冷蔵庫に入れるくらいなら当日に食いなさい!というピーキー過ぎる食材だ。
なぜ松前産のウニを頼んだかというと、去年の夏に松前町を訪れており、そこでご馳走になったウニに感激したのだ。
奥さんのご両親の実家がそのあたりなのだが、今も父方のおじいちゃんと、母方のおばあちゃんがそれぞれひとりで暮らしている。
昨年、僕らが結婚式を挙げた際にご病気で参加できなかったおじいちゃんに、結婚式の動画を見てもらおうと夏に奥さんと会いに行ったのだ。その際に、松前の海で採れたアワビや新鮮なウニなどをご馳走になったのだ。おそらくこれまでの人生で一番美味いウニだった。
あの感動をもう一度味わいたく、そして奥さんのルーツである北海道の町に少しでも貢献できると良いかなと思い、ふるさと納税をやってみたのだ。
そして届きました返礼品。ウニ!うに!
まず土曜日の晩酌に登場。
そのまま刺身と、簡単に寿司にする。
以前武蔵小山に住んでいた際に何度か通った寿司屋で、こんな感じに海苔で包むタイプのウニのお寿司を握っていたので真似してみた。ご飯1合を酢飯にして、一口分を海苔に乗せて、スプーンでウニをすくってのせる。贅沢。
早速いただく。
濃厚で甘いウニが舌の上でとろける。
う、う、美味すぎる。磯の風味と自然な塩味が酢飯と一体化してたまらない。
大葉と食う生ウニも最高である。
口福とはこういうことなのか。
※ ちなみにお醤油は普通の醤油と、九州の甘い醤油と2種類出してます。
その日の食卓は以下も作ってみた。
・茹でササミとキュウリ、大葉、ミョウガのサッパリサラダ
・ササミ、ナス、新ジャガ、パプリカの大根おろし煮
なんとも日本酒が進む食卓で幸せ過ぎる。
さて、日曜日の晩酌である。
新鮮なウニが手に入ったら一度作ってみたい料理があったのだ。
ウニの絹かけ丼。
作り方は簡単。どんぶりにご飯を軽めに盛り、その上に湯葉を敷き詰める。今回は湯葉がスーパーに売ってなかったので、湯葉入りの寄せ豆腐にしてみた。スプーンで薄くすくって敷いていく。
その上からウニ。ウニ。ウニ。好きなだけ盛る。
そしてめんつゆと白出汁を薄めてとろみをつけたあんをかけて完成。
さじですくって食す。
なんだこれは。初めて食う美味さだ。笑う。
ウニと豆腐とご飯があんかけのトロミでまとまって食感はひたすらに優しいのだが、ウニと出汁の味がひたすらに強い。最初優しいだけにぐいぐい迫ってくる旨味の暴力。そして飲み込んでも味の余韻が長い。なんだこれは。悶絶。
ウニ単体で食うよりも、普通にウニ丼にするよりも攻撃力が上がっている。今思い出して書いていても唾液が溢れてくる。あまりの美味さに食べながら興奮して汗が出てくる。溢れ出る歓喜。ウニへの感謝。なんだかわけが分からなくなってくる。これはいけない。
そしてこれに、自家製の山椒の実の醤油漬けが合う。薄味だけど濃厚な絹かけ丼にピリッとした山椒の辛さと爽やかな香りがベストである。食べ終わるのが惜しい。奥さんとひたすらうまいなーうまいなーと感激しつつ、おかわりまでして完食してしまった。今年食ったものの中でベストかもしれない。
美味さに打ちのめされた。食べ終わってもしばらくは口の中が旨味に支配されているような感じで、なんだかスポーツをした後のような爽やかな疲れとともに、じんわり幸せな気分に浸っていた。
2日で7000円近いウニを消費してしまったが、正直それだけの価値はある食材だった。また来年も注文しよう。