土曜日のはなし。
この2週間くらい、結構仕事が忙しく、毎日22時過ぎの帰宅が続いていたため、土曜日は起きて洗濯を済ませた後、行きつけのスーパー銭湯へ行ってきた。
土曜日の午前中というのに、いつもよりも少しだけ人が多かったのは、皆様お盆休み明けの1週間で疲れが溜まっているのか、もしくはお盆休みにTVで『千と千尋の神隠し』をやっていたからだろうか。サブリミナル油屋。
よく晴れた夏日のスーパー銭湯では、屋外の休憩スペースが大人気。
はだかのおじさんたちが、露天風呂横の屋外の畳のスペースにゴロゴロと転がっている。おじさんの甲羅干しである。
5人分ほどの畳のスペースに入れなかったおじさんはプラスチックの安楽椅子に座って日光を浴びている。皆黙って目を閉じて椅子に深くもたれかかっており、非常にリラックスしている様子だ。光合成してるのかな。もしくは日光消毒なのかな。
7脚ほどの椅子はそれぞれ日光のあたるスペースに移動され、常に年季の入ったおじさんで埋まっている。そこにも座れなかった悲しきおじさんは露天風呂のへりに腰掛けて、椅子が空くのを虎視眈々と狙っているようであった。
露天風呂に集まってきているのは、肌が白い新参おじさんから、この夏通いつめたのか、ありえないくらいに全身真っ黒な古参おじさんまでと様々である。どう考えてもレジャーでの日焼けではない。全裸でないと焼けない完成度である。恐れ入る。
冬場にはあまり見られない全裸日光浴をするおじさんの群れ。真夏の風物詩のようではないか。風情がある。
待て待て。僕はなぜ、土曜日の朝からおじさん達の生態観察しているのか。
さて、僕も世のおじさん達と同じく光合成が大好きなので、露天風呂で暖まっては安楽椅子で日光を浴びながら休憩する。その後サウナと水風呂を往復して日光を浴びて休憩と、2時間近くのんびりと楽しむ。
以前は何かをすることが娯楽だったが、おっさんになると、日光を浴びながら何もしないことが十分娯楽となるのだ。田舎に行くとたまに、玄関先の椅子に一日中座って往来を眺めているご老人がいらっしゃるが、極限までいくとそうなるのであろう。
風呂を上がると、ちょうど昼時だったので、奥さんとすぐそばのリンガーハットへ。
実家にいた際は父親が無類のちゃんぽん好きだったのでよく家族で通っていたし、若手社会人のころもよく昼飯に食っていた。
神奈川生まれの奥さんはほとんど食べる機会が無かったそうだが、僕の生まれ育った佐賀県では、ちゃんぽんはかなり日常的に食べる麺類であった。
長崎はちゃんぽん皿うどん文化圏、福岡はラーメンうどん文化圏なので、その間に挟まれた佐賀県の人は、ちゃんぽん、ラーメン、うどんを日常的に食っていたのだ。
僕が小学生のころはまだ土曜日の午前中は学校があったので、昼に帰ってきたらチャーハンかちゃんぽん、焼きそばというのが定番だったように思う。
野菜たっぷりちゃんぽん、麺少なめ。奥さんは皿うどん。
炒めた野菜が山盛りである。
麺少なめにしたのでほぼスープ野菜炒めといった感じ。片手に箸、片手にレンゲを持って、シャキシャキの野菜をモリモリ食べる快楽よ。
このメニュー、野菜だけで480グラムだそうだ。食べても食べても野菜が無くならない。
よく、1日分の野菜!とか宣伝している商品があるが、なんと1日分の野菜350グラムを137%で達成。一食でこれなので明らかに過剰である。
普通の企業なら100%で留めるところ、もともと野菜たっぷりのちゃんぽん専門店のプライドが許さなかったのだろう。国産野菜でこれをやるところがまた格好良い。
おまけに、糖質オフの麺にチェンジできたり、麺無しの野菜たっぷりスープなるメニューまで出している。昨今の健康志向の時流に乗ったのだろうか。
かと思えば、ちゃんぽんの麺は無料で2倍まで増量も出来るそうだ。
健康志向もガッツリ志向も過剰なホスピタリティで取り込んでいくスタイル、大好きである。
スーパー銭湯からのリンガーハット、健康のゴールデンコースであった。良きかな。
その後は家に戻り、夕方まで自宅で持ち帰りの仕事を片付ける。
夜は頂き物のソーメンを少しでも消費しようとソーミンチャンプルー。
豚肉、ピーマン、椎茸をサラダ油で炒めて、茹でて水で締めたソーメンを入れて、醤油お酒塩胡椒で味付け。ビールが進む味。
それに、こちらも頂き物のマカロニでサラダに。
マカロニ、茹で卵、茹でササミ、キュウリ、オニオンスライスと何気に具沢山。あとは作り置きも兼ねて大根と栃尾揚げの煮物を作る。
今回、茹で卵、茹でササミ、マカロニ、ソーメンと茹でメニューが何度も重なっており、やけに手間が掛かってしまった。
そして昼からちゃんぽんにソーメンにマカロニと気づけば麺ばかりではないか。
何も考えずに料理するとこうなる。
しかし美味かったし、奥さんも喜んでくれたので良しとしよう。