先週の土曜日のはなし。
引き続きStayHomeを続けており、家で娘と遊んだり部屋を片付けたり娘が寝たタイミングで映画を観たりしている。
今回鑑賞したのは『キングオブコメディ』。マーティンスコセッシ監督作品で、以前『ジョーカー』を鑑賞した際に、オマージュ作品として話題になっていたので、AmazonPrimeで観てみたのだ。
コメディアンを目指す、夢と現実を混同しがちで思い込みの激しい中年男性ルパート・パプキン。
大物コメディアンのジェリーにコネを作ろうとし無理やり接近したものの、断り文句として事務所に電話しなさいと言われる。しかしパプキンはそれをスカウトの言葉だと信じ込み、何度断られても事務所に通い詰めるようになってしまう。
なかなかジェリーにつないでもらえないパプキンは、ジェリーの別荘に勝手に入り込んでデモテープを渡すという暴挙に出る。
当然ジェリーからは歓迎されるはずもなく、これまでの思い込みをコテンパンに叱られて大恥をかくことになる。
逆上したパプキンは、ジェリーのストーカーである狂った女性と組んでジェリーを誘拐してしまう。身代金の代わりにコメディショーの出演を要求するのだ。
夢追い人の勘違いから始まった物語がどんどん狂気に満ちてくる。この先はお楽しみに。
この物語で一番印象に残っているのが、ロバートデニーロが演じる主人公パプキンの顔に張り付いたような笑顔である。自信と余裕、ユーモアにあふれたような表情や振る舞いをしているのだが、その笑顔が、周囲とのズレの中で自分を守るための仮面のように見えてくる。そしてその仮面のような笑顔の下でどんどんと狂気が育っていくような感じがしてくる。
冷静に見たら虐げられているような状況でも、笑顔を張り付かせて自分すら欺くほどの自己愛と妄想でポジティブに振る舞っている。その危うさがなんともリアルなのだ。恐ろしい。
映画ジョーカーとの共通点も多い。
思い込みの強い中年男性が主人公で、貧乏で母親と同居している。
コメディアンとして有名になることを夢見て日々妄想と現実の間で暮らしている。
ジョーカーの主人公は障害で笑いが止まらなくなった男の話で、パプキンは笑顔が張り付いたような表情をしている。
最後のシーンが現実なのか妄想なのかわからないことも同じだ。
ここまでオマージュされているとむしろ清々しいくらいである。単体で見るよりもジョーカー観賞後に観た方が面白い映画だったな。
さて、自粛中のばんめしである。手を動かすめしがいいなと思い、餃子にしてみた。
プレーン餃子、明太餃子、キムチチーズ餃子、シソ餃子、パクチー餃子と50個包む。粗挽きのひき肉を使うのが我が家のこだわりである。
鉄フライパンでカリッと焼き上げる。
写真が暗いのは赤子が隣で寝ているから。餃子にビール、最高ですな。
パクチー餃子は、麻辣水餃子にしてみた。美味い美味い。リモートワークなのでいくら餃子を食っても安心である。満足。