日曜日の午前中に中華鍋とフライパンのリセットを行った。
リセットといっても何?という感じかもしれない。鉄製のフライパンや中華鍋は、長く使っていて焦げや汚れ、錆が出てしまったとしても、それらを強制的に落として、再度使えるようにコーティングすることができるのだ。テフロンのフライパンだと一度コーティングが落ちたら終わりだが、鉄ならば何度でもよみがえらせることができる。しかも自宅でできる。だからこそ一生ものの道具だと言われている。
まずは中華鍋から。
昨年の誕生日に奥さんに勝ってもらった山田工業所の中華鍋だ。中華料理や炒めの物、揚げ物をする際に活躍してくれているお気に入りの料理道具である。
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気に入って使っていたのだが、先日、洗い終わって水滴がついたまま放置してしまい、数か所赤さびが出てしまっていたのだ。反省。いい機会なのでリセットしてみよう。
ベランダにカセットコンロを出し、強火で中華鍋を熱して表面の汚れや錆を焼き切る。それから耐水の紙やすり(600~1000番くらい)で表面をゴシゴシと削って汚れと錆を落としていく。削りカスが茶色⇒黒⇒グレーと変わってきて、表面がツルツルになったらOK。洗剤をつけて鍋を洗って乾かす。
こんなにピカピカになりました。
それをまたカセットコンロの強火で焼いていく。しっかり焼きを入れていくと、ねずみ色だった鍋の表面が青っぽい銀色に輝いてくる。これは、鉄と空気中の酸素が反応して酸化被膜(四酸化三鉄)ができているということらしい。
だいたい表面温度が600度くらいまで変化するとこうなるみたい。まんべんなく色が変わるように角度を変えながら全体に焼きをいれていく。
その後、表面にサラダ油を塗る。じゃぶじゃぶ入れてその油をオイルポットに戻すというやり方もあるが、要は表面に油が広がれば良いので、トングでキッチンペーパーを挟んで大さじ1杯くらいの油を塗り拡げていく。鍋の裏側にも塗っていく。
全体に油がついた中華鍋を煙がもうもうと上がるまで熱して、表面に油が重合した層を作る。油を強制的に気化させているので、結構臭い。ベランダでやってよかったかも。
白い煙が上がっている。油が完全に変性して黒か茶色っぽくなったらOK。上の写真だと、中央付近に丸く茶色の帯のようになっているのが見える。ここが一番に温度が上がるので変化が起きやすいみたい。
原理としては、換気扇の頑固な汚れのような層を、強制的に鍋の表面に作ってやるということらしい。サラサラしていた油が強火で熱せられて気化し、固形化して表面に膜をつくるようだ。中華鍋を動かして全体的に油をコーティングしていく。それを2回ほど繰り返し、最後にくず野菜を炒めたら完成。
最初の汚れ落としの焼き入れで5分程度、紙やすりで20分程度、その後の焼き入れとコーティングで20分程度で完成。
次に鉄のフライパン。
こちらは3年前、結婚祝いにヨットチームのメンバーから頂いたものだ。うちではローストビーフやステーキ、ハンバーグ、パエリア、餃子などに活躍してくれていた。これは錆は無かったが、表面に黒っぽい焦げ汚れが付着していたので、いい機会なので一緒にリセットする。
中華鍋と同じように表面の汚れを焼き切ってから、耐水紙やすりでゴシゴシと汚れを取っていく。
つるつるのすっぴん状態。
こちらはもともとがグレーに近い色なので、焼いた際の青色が目立ちやすい。
こんな感じで全体的に青くなります。とても良い感じ。
そこから1回目の油コーティング。
中央が茶色く変性してきました。それを全体に広げて、2回目もしっかりやると、こんな感じになります。
おそらくここまでやれば良いはず。
まあ、失敗したとしてもまたリセットすればよいのだ。こういった手入れも楽しみの一つですね。楽しい手仕事。
その日のお昼は、中華鍋でエビチャーハンを作って食べたのだが、事前の熱し方が甘かったのか少しだけこびりついてしまった。もうちょっとだけ慣らしと練習が必要ですな。今後も大事に使っていこう。