太陽の下で笑う。

うまいものはうまい。

立ち食い蕎麦に癒される日々。

ここ最近。会社近くの立ち食い蕎麦に心を掴まれている。

 

会社のすぐそばにある立ち食い蕎麦屋。東京らしく真っ黒くて濃いめのツユに茹で置きの麺。天ぷらなどをトッピングしてもワンコインでおつりがくる、かなりリーズナブルな店である。

 

今の職場に通い出して15年以上になるのだが、初めて食べたのはいつ頃だろうか。確か8年~10年くらい前だったような気がする。

駅前に昔からずっとある立ち食い蕎麦屋。厨房とカウンターだけの狭い蕎麦屋ゾーンと、隣の居酒屋が中でつながっており、カウンターで蕎麦を受け取り、となりの居酒屋の席で座って食べられるという不思議な作りの店だ。

 

最初は時間が無さすぎてしょうがなくその店を使っているような感じで、味には特になんの感動もなく食べていたと思う。味よりもスピード優先。手軽な補給食としての立ち食いそばである。

 

僕は北部九州育ちなので蕎麦よりもうどんを食べる機会のほうが断然多く、ツユはいりこ出汁の澄んだツユの文化圏で育っている。福岡を拠点とする「牧のうどん」がソウルフードだ。そのため、東京に来てしばらくは関東の醤油味の強いツユはあまり美味いとは思えなかった。

 

ただ、何度も何度も食べているうちに、甘辛く醤油が効いたしょっぱいツユが馴染みの味となっていき、だんだんとこれがいい、これでなければという感覚になってきている。思えば九州に生まれて高校まで過ごしたのが18年間。それから広島に4年住んで、東京に17年住んでいるので、幼少期を除くと関東の食文化のほうが長くなってきたのだ。

 

普段、会社に行く際はお弁当を持参しているのであまり外食するチャンスはない。ただ、たまに弁当を詰め忘れた際などには、いそいそと会社を抜け出して立ち食い蕎麦屋に通っている。

 

先日などは、前日が飲み会で若干の二日酔いと睡眠不足があったので、朝からふぬけた身体に喝を入れるため、出勤前に海鮮天蕎麦をキメてみた。

 

食券を購入し、調理のおっちゃんにうどんと区別するために「そば」と告げる。おっちゃんは茹で置きの麺を湯通しして温め、おおきなお玉でアツアツのツユをたっぷりと注ぐ。カウンター上のバットから揚げ置きの天ぷらをのせ、ネギをのせて完成。

 

濃いめのツユにカウンターの七味唐辛子をバババッと振りかけて一口飲む。湯気が上がるアチアチのツユが二日酔いの身体に染み渡る。小エビやイカの入ったかき揚げを崩しながらもちっとした蕎麦をすする。風味を楽しむ上品な蕎麦とは対極にある、働くおじさんたちのエネルギー源としての蕎麦だ。ツユでほどけてモロモロになったかき揚げがまたウマい。5分ほどでご馳走様。寒い朝だったので芯から暖まり最高だった。

 

そんな感じで立ち食いそばに癒やされている。